サーフボードを買って、後悔したことがあります。
しかも、1回じゃない。
テストライダーとして何年も過ごしてきた今だから正直に言えますが、わたしも過去に「なぜこのボードにしたんだろう」と思ったことが何度もあります。この記事では、その失敗談と、そこから気づいたことを書きます。
この記事でわかること
- 実際に後悔した3つのボード選びの失敗
- 失敗に共通していた「本当の原因」
- 良いサーフボードの本当の定義
- 後悔しないボードの選び方
目次
失敗1:日本人プロの絶賛ボードを買った
あるとき、日本人プロサーファーがYouTubeで絶賛しているサーフボードを買いました。
そのプロは本当に上手くて、動画の中でそのボードをものすごく気持ちよく乗りこなしていた。「これだ」と思って、同じモデルを購入しました。
結果は、全然よくなかったです。
波が来ても、思うように動かない。ターンが決まらない。「わたしの乗り方が悪いのかな」とずっと思っていました。
でも今から振り返ると、原因はシンプルでした。
そのプロサーファーは、自分のスキルレベルで、自分がよく乗る波質で、自分のサーフィンスタイルに合わせて「良い」と感じていたんです。そのプロにとっては本当に良いボードだったと思います。嘘をついていたわけじゃない。
ただ、そのボードはわたしのためには作られていなかった。
失敗2:ケリー・スレーターモデルを買った
別の時期に、ケリー・スレーターのシグネチャーモデルを買いました。
ケリー・スレーターは、世界選手権を11回制したサーファーです。そのモデルボードを使えば、何か変わるんじゃないかという気持ちがどこかにありました。
結果は、全然乗りこなせなかったです。
それはそうです。あのボードは、世界最高峰のサーファーが、最高の波で、何十年もかけて磨き上げた技術で乗るために設計されたものだから。
ケリーは悪くない。ボードも悪くない。ただ、自分には早すぎた。
失敗3:ショップでオーダーしたボード
もうひとつは、ショップでオーダーメイドのボードを作ってもらったときのことです。
シェイパーさんはとても腕がよくて、丁寧に相談に乗ってくれました。体重・身長・スキルレベルを伝えて、波質も話した。それなりに時間をかけてオーダーしたつもりでした。
できあがったボードは、波に乗れるようになるまで時間がかかりました。
後から考えると、あのボードは「シェイパーが良いと思うボード」だったんです。悪い意味じゃなくて、それがオーダーの限界でもある。どれだけ丁寧に話し合っても、実際に海で乗ってみないと分からないことがある。
なぜサーフボード選びで後悔するのか — 3つの失敗に共通していたこと
3つの失敗を振り返ると、同じパターンがありました。
他人の価値観と、他人のスキルと、他人の波質で評価されたボードを選んでいた。
プロの推薦も、世界チャンピオンのモデルも、腕の良いシェイパーも、みんな「誰かにとっての正解」を持っていた。ただ、それがわたしにとっての正解かどうかは、別の話だったんです。
気づいてみると当たり前のことなんですが、当時はそれがわかっていなかった。
良いサーフボードの本当の定義
失敗を重ねてたどり着いた、自分なりの答えがあります。
良いボードとは、良い波の時に良いサーフィンができたボードのことです。
これだけ聞くとシンプルすぎると思うかもしれないけど、実はすごく大事なことが含まれています。
どんなに優れたボードでも、波が悪くてあまり良いサーフィンができなかったなら、そのボードはその日「良いボード」ではなかったということになります。
逆に言うと。
今あなたが使っているサーフボードで、あなたが気持ちいいと感じる波質の波に乗れたとき。そのボードが、あなたにとっての良いサーフボードです。
サーフボードがあって良いサーフィンができるわけじゃない。良い波と、そこに合ったボードと、乗る人のスキルが揃って初めて、良いサーフィンになる。
マジックボードというものが存在しないのは、このためです。あのボードさえあれば上手くなれる、という道具はない。
どうすれば後悔しないボードを選べるか
失敗から学んで変えたのは、ジャンルにこだわらず、波質とスキルレベルに合わせていろいろなボードに乗ってみることでした。
「ショートボードじゃないとかっこよくない」「ミッドレングスは初心者向け」という思い込みを手放した。まずは自分がよく入る海の波と、今のスキルに合うボードを先に探す。そう考え方を変えてから、後悔することが少なくなりました。
そのために気をつけていることが3つあります。
- 乗る波を先に決める — リーフか、ビーチブレイクか。小波か、サイズがあるか。ボードを先に選ぶのではなく、波に合わせてボードを選ぶ
- 今のスキルに正直になる — あこがれのボードではなく、今の自分が8割以上コントロールできるボードを選ぶ。目安は「テイクオフからターンまで自分の意図通りに動くか」
- 他人の評価を参考程度にする — プロのレビューも、ショップのおすすめも「その人の状況での話」として受け取る
このくらいシンプルに考えると、後悔するボードを選びにくくなります。
ボード選びの基本と、具体的なモデル別の選び方はサーフボード選び方ガイドにまとめています。あわせてご覧ください。
ボード選びの基本的な考え方についてはサーフギア完全ガイド|道具選びの全知識もあわせてお読みください。
まとめ
- プロや世界チャンピオンのモデルは「その人にとっての正解」。自分に合うかは別の話
- オーダーメイドも、シェイパーの解釈が入る。実際に乗って確認するまで分からない
- 良いボード=良い波の時に良いサーフィンができたボード。絶対的な「良いボード」はない
- ジャンルにこだわらず、波質とスキルに合わせていろいろ乗ってみることが近道
サーフボードに正解はないですが、自分にとっての正解は探していける。わたしはそう思っています。
実際のボード選びの参考に、ナナゼロ サーフボード おすすめ|レベル・波質別の選び方やビーチアクセス おすすめ|エムソフト・スタンダード・HS 選び方もご覧ください。
よくある質問
プロがおすすめするサーフボードは信頼できますか?
嘘をついているわけではないので、参考にはなります。ただ「そのプロの状況での話」として受け取ることが大事です。プロのスキルレベル・よく乗る波質・サーフィンスタイルが自分と近いなら参考になりやすいです。
ショップのオーダーメイドは後悔しにくいですか?
丁寧に相談できる点は良いですが、完璧ではないです。実際に海で乗ってみないと分からない部分は必ずあります。どのシェイパーも、ある程度は自分の解釈が入ります。
サーフボード選びで最も大事なことは何ですか?
今の自分がよく入る波の種類と、今のスキルレベルに正直になることです。あこがれのボードより、今の自分が気持ちよく乗れるボードを選ぶ方が、上達も早くなります。
ボードを買って合わなかったらどうすればいいですか?
まずしばらく乗り続けてみることをおすすめします。合わないと感じる理由が、自分の慣れの問題なのか、ボードの特性なのかを見極めてから判断する方が後悔が少ないです。
良いサーフボードの見つけ方を教えてください。
ジャンルにこだわらず、自分がよく入る波質に合わせていろいろなボードに乗ってみることです。「良いボード=良い波でいいサーフィンができたボード」なので、まず自分の海の条件を先に整理すると選びやすくなります。
