こんにちは、ヒガシーサーです。20年以上のサーフィン経験と20年のサーフスケート経験、そしてサーフボードとサーフスケートの開発への関与から、サーフスケートについて包括的に解説します。この記事では、初心者から上級者まで、サーフィン練習に適したサーフスケートの選び方とおすすめモデルを徹底的に紹介します。

AI先生
サーフスケートはただの遊びではない。正しく選び、正しく使えば、陸上でのサーフィントレーニングとして非常に効果的だ。しかし間違ったモデル選びは悪い癖をつける原因にもなる。科学的アプローチで最適なモデルを選ぼう。
この記事では以下のポイントについて解説します:
- サーフスケートとは?サーフィン練習との関係性
- 各ブランドの特徴と違い(Carver、YOW、nanazero等)
- サーフスケートの選び方体格・体重・レベル別ガイド
- サーフィン練習に最適なモデル2025年最新おすすめ
- トラックとデッキの選び方CX、C7など構造の違い
- 安全な乗り方と注意点怪我を防ぐための重要事項
- メンテナンスと長持ちさせるコツ

サーフスケートとは?サーフィン練習との関係性
サーフスケートとは、通常のスケートボードとは異なり、特殊なトラック(車軸)を使用することで、サーフィンの動きを再現できるように設計されたスケートボードです。最大の特徴は前輪のトラックが広い角度で動くこと。これにより、サーフィンのようなカービングターンやパンプ動作が可能になります。
サーフスケートとサーフィンの動きの共通点
なぜサーフスケートがサーフィンの練習に効果的なのでしょうか?それはサーフィンの基本動作である「傾ける」「ひねる」「屈伸する」の動きを陸上で再現できるからです。
- 傾ける:レールを使ったターン時のボードの傾け方
- ひねる:上半身と下半身の捻りを使ったパワー生成
- 屈伸する:重心移動やポンピングでの推進力生成
これらの動きはサーフィンのボトムターンやアップスアンドダウンズなどの基本マニューバーに直結します。特に波のない日や海から遠い場所に住んでいるサーファーにとって、サーフスケートは貴重なトレーニングツールとなります。

アキ
サーフスケートに乗るとサーフィンが上手くなるって本当なんスか?普通のスケボーじゃダメっすか?

AI先生
通常のスケートボードと大きく違うのは前輪のトラックが動く点だ。これによりサーフィンのレールワークに近い動きが実現できる。普通のスケートボードはトラックが固定されており、平地ではサーフィンの練習にはほとんど繋がらない。バンクを使えば可能だが、それは上級者向けだ。適切なサーフスケートを選べば、初中級サーファーでも効率的に練習でき、しかも安全性も高い。
サーフスケートのメリットとデメリット
- 波がない日でもサーフィンの動きを練習できる
- 短時間でも効率的なトレーニングが可能
- サーフィンの基本動作(傾ける・ひねる・屈伸する)を強化できる
- 身体の使い方やバランス感覚が養われる
- ソフトウィールを使うことで静かに練習できる
- 何度も同じ動作を繰り返せるため筋肉記憶が定着しやすい
- 間違ったモデル選びで悪い癖がつく可能性がある
- 安全に乗るためのプロテクターなどの装備が必要
- パドリングやテイクオフの練習はできない
- 適切な練習方法を知らないと効果が限定的
- 水の抵抗がないため、実際の波との違いはある
私自身、実際に2006年から現在までさまざまなサーフスケートを使ってきました。その中で、間違ったサーフスケートの選択によって変な癖がついてしまった経験もあります。例えば、かつて使用していたサーフスティックは、ウィールの限界が低くすぐにスライドしてしまうため、テールをスライドさせる癖が身についてしまいました。これはサーフィンではあまり役立たない動きです。
そのため、サーフスケートを選ぶ際は、実際にサーフィンで行いたい動きに近いモデルを選ぶことが非常に重要です。以下では、主要ブランドの特徴と違いを詳しく解説していきます。
ヒガシーサーがオススメするサーフスケートについては「サーフスケートおすすめ5選」をご覧ください。
サーフスケートの主要ブランド比較:特徴と違い
サーフスケート市場には多くのブランドが存在していますが、サーフィン練習という観点から見ると、特に注目すべきブランドがいくつかあります。ここでは主要ブランドの特徴を、実際に20年間使い続けてきた経験と各種モデルのテスト結果から比較します。
Carver(カーバー)

Carverは1996年に設立された最も歴史あるサーフスケートブランドの一つで、多くのプロサーファーも愛用しています。私が15年以上にわたって様々なモデルをテストしてきた経験から言えることは、一般的なサーファーのサーフィン練習に最も適したブランドだということです。
- トラックシステム:C7、CX、C5などいくつかのタイプがある
- ターンの特性:適度な抵抗感とレスポンスで実際のサーフィンに近い
- 安定性:初中級者でも安心して乗りやすい
- ポンピング効率:比較的少ない労力で前進できる
- モデルバリエーション:豊富なサイズとモデル展開
Carverの最大の特徴は、サーフィンの実際のターン動作に非常に近い感覚が得られる点です。特にCXトラックは軽量でありながら、適度な抵抗感と反発力があり、サーフィンのレールワーク練習に最適です。
私が特におすすめするのはテイラーノックスの「31.25″」モデルです。この選択の理由は:
- ロングセラーモデルであり信頼性が高い
- 理想的なホイールベース(16〜18インチ)を持つ
- 乗りやすいデッキ形状で安定感がある
- 元CTサーファーで流麗なレールワークで知られるテイラーノックスのシグネチャーモデル
トラックについては、CXタイプが最もおすすめです。C7は性能は高いものの重量があり持ち運びの負担が大きくなります。個人的には以前5年間Green Room(C7トラック)を使用した後、CX4タイプに乗り換えましたが、性能はほとんど変わらない一方で、軽量化による持ち運びの快適さは大幅に向上しました。
より詳しいCarverレビューやCarver Tritonモデルについてもご覧ください。
YOW (Your Own Wave)

スペイン発のYOWは、非常に動きのあるトラックシステムで知られています。S4、S5トラックをテストした経験から言えることは、一般的なサーファーのサーフィン練習よりも、楽しむためのサーフスケートとして優れているという点です。
- トラックシステム:S4、S5など非常に動きが大きい
- ターンの特性:非常に鋭く、小さな動きで大きく曲がる
- 自由度:足首の動きだけで加速できるほど自由度が高い
- 対象レベル:中上級者やハイパフォーマンスサーファー向け
- デザイン:デザイン性の高いデッキグラフィック
YOWの特徴は、そのトラックの高い可動性にあります。トラックが非常に動きやすいため、足首の小さな動きだけでも方向転換ができ、楽しさは抜群です。しかし、この特性が一般サーファーのサーフィン練習にはやや不向きな要因にもなっています。
YOWは競技サーファーが使うハイパフォーマンスサーフボードに近い乗り味を持っています。そのため競技サーファーには練習として有効ですが、週末サーファーやレクリエーショナルサーファーにとっては、過剰な動きが実際のサーフィンとの差を生む可能性があります。
YOWを否定しているわけではなく、単に「一般的なサーファーのサーフスケート練習には向いていない」というだけです。YOW単体で楽しむという用途では非常に優れた選択肢と言えるでしょう。
YOWについての詳細なレビューもご覧ください。
nanazero(ナナゼロ)

nanazeroは日本のサーフボードブランドで、私自身も開発に関わっているサーフスケートシリーズを展開しています。沖縄を拠点に開発されている日本ブランドとして、日本人サーファーの体格や日本の波質に合わせた設計が特徴です。
- コストパフォーマンス:Carverに匹敵する性能をより手頃な価格で提供
- トラックシステム:Carver CXに近い性能を目指して開発
- デザイン:バンブー(竹)素材を使った美しいデッキ
- サイズ展開:現在31インチと34インチ(同ホイールベース)
- 今後の展開:2025年に新モデル追加予定
nanazeroのサーフスケートは、コストパフォーマンスの高さと品質が魅力です。Carverに比べて安価でありながら、サーフィンの練習に適した性能を備えています。特に31″ Bamboo Fishモデルは、適切なホイールベースと安定した乗り心地で初中級サーファーに最適です。
注目すべき点として、2025年にはCarverの31.25″ KNOX PHOENIXを参考にした新モデルと、36インチのミッドレングス向けモデルが登場予定です。これらは安全性と練習性能を重視した設計となる予定です。
また、nanazeroは姉妹ブランドとしてseppaというスノーボードブランドも展開しており、スノーボーダーのオフトレーニング用としても使える設計になっています。日本のブランドとして日本人サーファーの特性に合わせている点も魅力の一つです。
nanazeroサーフスケートの詳細レビューも参考にしてください。
Woody Press(ウッディープレス)

日本でも人気のあるウッディープレスは、2万円以下で購入できる手頃な価格が魅力のサーフスケートブランドです。
- 価格:非常に手頃な価格帯
- トラックの特性:カーバーよりも柔らかい感触
- 練習用途:価格を考慮すれば十分な性能
- デザイン:一般的なデザインで特別感は少ない
- 競合:nanazeroと価格帯が近い
ウッディープレスの最大の特徴はコストパフォーマンスの高さです。トラックはCarverよりも柔らかい感触ですが、サーフィン練習用途としては十分な性能を持っています。
現在は同価格帯で nanazero という選択肢もあり、両者で比較すると、nanazeroの方が見た目や開発背景においてより魅力的な選択肢と言えるかもしれません。
ウッディープレスについての詳細なレビューと他ブランドとの比較もご覧ください。
その他のサーフスケートブランド比較
上記で紹介した主要ブランド以外にも、さまざまなサーフスケートブランドが存在します。それぞれの特徴と、サーフィン練習用としての適性について解説します。
Slide(スライド)
スペイン発のSLIDEは、ヨーロッパで人気のサーフスケートブランドです。
SLIDEの主な特徴
- トラックの特性:カーバーより柔らかく、YOWほどではない中間的な感触
- 価格帯:中〜高価格帯で、Carverとほぼ同等
- デザイン:カラフルで個性的なデザイン
- サーフィン練習適性:中級者以上向け、足首の動きで曲がりやすい
SLIDEのトラックは、CarverとYOWの中間のような特性を持っています。足首の小さな動きである程度曲がるため、サーフィン初心者の練習用としては変な癖がつきやすい面があります。中級者以上で、より自由な動きを求める方には選択肢になりますが、一般的なサーフィン練習用途としては、Carverやnanazeroの方が適しているでしょう。
Surfstik(サーフスティック)

サーフスティックは以前人気だったサーフスケートブランドで、「サーフィンするより上手くなる」というキャッチコピーで知られていました。
サーフスティックの主な特徴
- トラックの特性:独特のスプリング機構を持つトラック
- ウィール特性:滑りやすく、スライドしやすい
- 重量:比較的重い
- 安定性:安定性は高いが、現代のサーフスケートと比べると操作性は低い
私自身、2006年から2015年までサーフスティックを愛用していましたが、結果として間違ったサーフスケート選びだったと感じています。サーフスティックはウィールの限界が低く、すぐにスライドしてしまうため、テールをスライドさせる癖が身についてしまいました。この動きはサーフィンの基本動作「傾ける・ひねる・屈伸する」とは異なり、実際のサーフィンにはあまり活かせませんでした。
また、重量も現代のサーフスケートと比較すると扱いにくいため、現在のサーフィン練習用としては推奨できません。ただし、ボードの安定性は高いため、初心者が怪我をしにくいというメリットはあります。
サーフスティックの詳細レビューはこちらの記事で紹介しています。
Sector 9(セクター9)
Sector 9は主にロングボードスケートで知られていますが、サーフスケートラインも展開しています。
Sector 9の主な特徴
- トラックの特性:Gullwingトラックを採用したモデルが多い
- 乗り味:クルージング向きの安定した乗り心地
- デッキサイズ:比較的長めのモデルが多い
- サーフィン練習適性:基本的なカービング練習には使えるが、専用設計ではない
Sector 9はクルージングやダウンヒルに強みを持つブランドであり、純粋なサーフィン練習用途としては、サーフスケート専用ブランドほど適していません。しかし、長距離移動や通勤などの用途も兼ねたい場合は選択肢になります。

アキ
普通のスケボーじゃダメなんスか?サーフスケートって高いし、わざわざ買う必要あるんすか?友達はスケボーでもサーフィンの練習になるって言ってるんすけど…

AI先生
通常のスケートボードも練習になる可能性はあるが、効率は大きく劣る。普通のスケボーは前輪のトラックが固定されており、平地ではサーフィンの基本動作「傾ける・ひねる・屈伸する」をほとんど再現できない。バンクやボウルなら可能だが、それは上級者向けであり、怪我のリスクも高い。サーフスケートは専用設計で、平地でもサーフィンの動きを安全に練習できる。また、サーフスケートはソフトウィールを使っているため静かで、住宅街でも練習しやすい利点もある。友達がスケーターなら彼らは既にスケートの技術があるため、通常のスケボーでもバンクを使って練習できるのだろう。初心者には専用のサーフスケートを強く推奨する。
総じて言えることは、一般的なサーファーのサーフィン練習用途としては、Carver、nanazero、あるいは予算を抑えたい場合はウッディープレスがおすすめです。楽しさ重視ならYOWも選択肢となりますが、練習効果を最優先するならCarverやnanazeroを選ぶと良いでしょう。
サーフスケートの選び方:体格・体重・レベル別ガイド
サーフスケートを選ぶ際には、ブランドだけでなく、自分の体格やサーフィンのレベル、目的に合わせて適切なモデルを選ぶことが重要です。ここでは、体格・体重・レベル別の選び方を詳しく解説します。
デッキサイズとホイールベースの選び方
サーフスケートを選ぶ際に重要な要素が、デッキサイズとホイールベース(前後の車輪間の距離)です。
要素 | 重要性 | 選び方のポイント |
---|---|---|
デッキ全長 | 安定性と携帯性に影響 | 身長や好みのスタイルに合わせて選ぶ |
ホイールベース | ターンの特性に大きく影響 | サーフボードに合わせて選ぶ(16〜18インチが基本) |
デッキ幅 | 足の置き場と安定感に影響 | 足のサイズに合わせて選ぶ |
ウィールサイズ | スピードと乗り心地に影響 | 柔らかめのウィール(78A〜85A)がおすすめ |
特に重要なのはホイールベースで、これはサーフボードの長さとも関連します。コレクトサーフィンフィットネスのトレーニングでは、16〜18インチのホイールベースが標準的なショートボーダーの練習に最適とされています。
- 短いホイールベース(14〜16インチ未満):小回りが利き、スナップの効いたターンが可能。ハイパフォーマンスサーフィン向き。
- 中間的ホイールベース(16〜18インチ):バランスの取れたターン特性。多くのサーファーに適している。
- 長いホイールベース(18インチ以上):安定感があり、フローのあるターンが可能。ミッドレングスやロングボーダー向き。
一般的なショートボーダーには、Carverの31.25″ KNOX PHOENIXのような中間的ホイールベースのモデルがおすすめです。ミッドレングスやロングボードユーザーには、より長いホイールベースのモデルが適しています。
体格・体重別おすすめサイズ
体格や体重に合ったサイズ選びも重要です。以下は一般的な目安です:
体重 | 身長 | おすすめデッキサイズ | おすすめモデル例 |
---|---|---|---|
50kg未満 | 160cm未満 | 28〜30インチ | Carver Yago Skinny Goat 30.75″ |
50〜70kg | 160〜175cm | 30〜32インチ | Carver KNOX PHOENIX 31.25″、nanazero 31″ Fish |
70〜90kg | 175〜185cm | 31〜33インチ | Carver Courtney Conlogue 29.5″、YOW Arica 33″ |
90kg以上 | 185cm以上 | 33インチ以上 | Carver Tyler 777 36″、ウッディープレス 36″ |
体重が重い場合は、デッキ幅も広めのモデルを選ぶとよいでしょう。また、トラックの硬さも体重によって調整することをおすすめします。体重が重い方は硬めのブッシュ(ゴム部分)に交換することで、適切な抵抗感を得られます。
サーフィンレベル別おすすめモデル
サーフィンのレベルに合わせたサーフスケート選びも重要です。
初心者(サーフィン歴1年未満)向け
サーフィン初心者には、安定性があり、基本動作の練習がしやすいモデルがおすすめです:
- おすすめブランド:Carver(CXトラック)、nanazero、ウッディープレス
- おすすめモデル:Carver Blue Haze 31″、nanazero 31″ Fish、ウッディープレス 32″
- おすすめの練習:直線でのポンピング、緩やかなカービング、テイクオフの姿勢練習
初心者は特にバランス感覚を養うことが重要です。まずはポンピングで前進する練習から始め、徐々にターンの練習に移行するとよいでしょう。安全装備(ヘルメット、プロテクター)は必須です。
サーフィン初心者向けのテイクオフ練習法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
中級者(サーフィン歴1〜3年程度)向け
中級者は基本的なターン技術を向上させる段階です:
- おすすめブランド:Carver(CXまたはC7トラック)、nanazero
- おすすめモデル:Carver KNOX PHOENIX 31.25″、Carver Yago 30.75″、nanazero 31″ Fish
- おすすめの練習:ボトムターン、カットバック、アップスアンドダウンズの連続
中級者はより実践的なサーフィンの動きを練習することが重要です。特にアップスアンドダウンズの練習はサーフィンの基本的なリズムを身につけるのに効果的です。
上級者(サーフィン歴3年以上)向け
上級者は自分のスタイルや目的に合わせた選択ができます:
- おすすめブランド:Carver、YOW、SLIDE(好みに応じて)
- おすすめモデル:自分のサーフスタイルに合わせて選択
- おすすめの練習:高度なターン練習、スナップ、フローの追求
上級者は自分のサーフスタイルに合わせた選択が可能です。ハイパフォーマンスサーフィンを目指す場合はYOWなどの動きの大きいモデルも選択肢となりますが、基本練習にはCarverのような適度な抵抗感のあるモデルが依然として有効です。
年代別おすすめモデル
年齢によっても最適なサーフスケートは異なります。特に40代以上のサーファーは安全性と練習効果のバランスが重要です。
40代〜50代のサーファー向け
- おすすめブランド:Carver(CXトラック)、nanazero
- おすすめモデル:デッキ幅が広めで安定感のあるモデル
- 重視すべき点:安全性、安定感、膝や関節への負担の少なさ
- 必須装備:ヘルメット、手首・膝・肘プロテクター
40代以上のサーファーは特に安全面に配慮することが重要です。安定感のあるモデルを選び、ソフトなウィールを使用することで、膝や関節への負担を軽減できます。また、必ず安全装備を着用し、無理のない範囲で練習することをおすすめします。
私自身の経験から言えることですが、ヘルメットとプロテクターは命を守る装備です。私はスケートパークでカーバースケートを使って転倒し、肋骨を痛めた経験がありますが、ヘルメットと手首のプロテクターを着用していたおかげで、より重大な怪我を免れました。ヘルメットには大きな傷がついており、もし装着していなければ頭部に深刻な怪我を負っていたことでしょう。
安全装備の重要性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
サーフスケートのトラック構造と選び方
サーフスケートの性能を大きく左右するのがトラック(車軸部分)です。各ブランドによって異なるトラックシステムを採用しており、それぞれ特徴があります。
主要なトラックタイプ

Carver CXトラック
Carverで最も人気のあるCXトラックは、標準的なスケートトラックをベースに、より広い可動域を持つように設計されています。
- 特徴:軽量、反応性が高い、適度な抵抗感
- 向いているサーファー:初心者から上級者まで幅広く
- サーフィンとの近似性:ショートボードのレールワークに近い
- メリット:軽量で持ち運びやすい、長距離移動も可能
- デメリット:C7に比べると若干安定感が劣る
CXトラックは汎用性が高く、多くのサーファーにおすすめできるトラックです。特に初めてサーフスケートを購入する方にはCXトラックのモデルがおすすめです。
Carver C7トラック
C7トラックはスプリングを使用した独自のメカニズムで、より流動的なターン感覚を実現しています。
- 特徴:滑らかなターン、高い安定性、スプリング機構
- 向いているサーファー:中級者以上、フローを重視する方
- サーフィンとの近似性:ミッドレングスのような滑らかなターン感覚
- メリット:高い安定性と滑らかさ
- デメリット:重量がある、メンテナンスが必要
C7トラックは性能は高いですが、重量があるため持ち運びには不向きです。私自身もGreenroomというC7トラックのモデルを5年間使用した後、CX4タイプのモデルに乗り換えましたが、性能はほとんど変わらない一方で、持ち運びの快適さは大幅に向上しました。
CarverのC7トラックとCXトラックの詳細比較についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
YOW Sシステム
YOWのSシステム(S4、S5)はスプリングを使用した独自のメカニズムで、非常に高い可動域を持っています。
- 特徴:非常に動きやすい、足首の小さな動きで方向転換可能
- 向いているサーファー:上級者、競技サーファー
- サーフィンとの近似性:ハイパフォーマンスサーフボードのような鋭い反応
- メリット:高い自由度と楽しさ
- デメリット:初心者には扱いにくい、変な癖がつきやすい
YOWのトラックは動きが大きすぎるため、一般的なサーファーのサーフィン練習には向いていません。楽しさは抜群ですが、実際のサーフィンではここまで動きが大きくないため、練習としては少し適切ではありません。ただし、ハイパフォーマンスサーフィンを目指す競技サーファーには適している場合もあります。
YOWについての詳細はこちらの記事で解説しています。
nanazeroトラック
nanazeroのトラックはCarverのCXトラックに近い性能を目指して開発されています。
- 特徴:軽量、適度な抵抗感、日本人サーファー向けの調整
- 向いているサーファー:初心者から中級者
- サーフィンとの近似性:一般的なショートボードのターン感覚
- メリット:コストパフォーマンス、日本人向けの設計
- デメリット:モデルラインナップがまだ限定的
nanazeroのトラックはCarverのCXに近い性能を持ちながら、より手頃な価格で提供されています。日本人サーファーの体格や日本の波質に合わせた設計が特徴で、特に初心者から中級者のサーフィン練習に適しています。
nanazeroサーフスケートの詳細はこちらの記事で解説しています。

アキ
トラックって自分で交換とかカスタマイズできるんすか?初めはCXで練習して、上達したらC7に変えたりできるんすか?

AI先生
基本的にトラックは交換可能だ。同じブランド内(例えばCarverのCXからC7へ)の交換なら比較的簡単で、デッキの取り付け穴が共通しているからだ。ただし、異なるブランド間の交換は互換性の問題があり、追加の穴あけが必要な場合もある。また、トラックの硬さ調整はブッシュ(ゴム部分)を交換するだけで可能だ。特にウィールは消耗品なので、交換しやすい。ただ初心者にはまずは標準モデルでしっかり練習することをおすすめする。CXとC7の差は実際には玄人好みの部分が大きく、練習効果に大きな違いはない。
ウィールの選び方
サーフスケートのウィール(車輪)も重要な要素です。以下のポイントを考慮して選びましょう:
- 硬さ(デュロメーター):78A〜85Aの柔らかめのウィールが推奨。柔らかいほど振動が少なく滑らかだが、速度は遅くなる。
- サイズ:65mm〜70mmが一般的。大きいほど障害物を乗り越えやすいが、加速は遅くなる。
- 形状:リップ(エッジ)の有無。リップありは安定性が高く、なしはスライドしやすい。
- メンテナンス:定期的な清掃とベアリングのチェックが必要。
サーフスケート用のウィールは通常のスケートボードより柔らかめで大きいサイズを使用することが多いです。これにより、アスファルトの上でもスムーズにカービングができます。
サーフスケート用シューズの選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
サーフスケートでのサーフィン練習方法
サーフスケートを効果的なサーフィン練習ツールとして活用するためには、正しい練習方法が重要です。ここでは、サーフィンの基本動作を向上させるための効果的な練習方法を紹介します。
基本姿勢とバランス練習
まずは基本姿勢とバランス感覚を身につけることから始めましょう:
- STEP
基本姿勢の習得
両足をショルダー幅に開き、膝を軽く曲げ、上体をやや前傾させる。この姿勢はサーフィンのボトムターン時の姿勢に近いもので、腰と膝の使い方を練習できる。
- STEP
重心移動の練習
前後・左右に重心を移動させる練習。サーフィンでは波の状況に応じて重心位置を変える必要があるため、この感覚を身につけることが重要。
- STEP
ポンピングの練習
上半身と下半身の連動による推進力の生成。膝の屈伸と腰のひねりを使って前進する練習で、サーフィンのパドルからテイクオフ後の加速に相当する。
サーフスケートでのサーフィン動作の具体的な練習方法
サーフスケートの最大の魅力は、実際のサーフィン動作を陸上で練習できることです。ここからは、基本的なサーフィン動作をサーフスケートでどのように練習すればよいのか、具体的な方法と意識すべきポイントを解説します。

AI先生
サーフィンとサーフスケートは完全に同じではないが、体の使い方やウェイトシフトの基本原理は共通している。サーフスケートで何より重要なのは、単に「楽しむ」だけでなく、サーフィンのイメージを持って意識的に練習することだ。それぞれの動作において、実際のサーフィンとの関連性を常に意識することが上達の鍵となる。
ボトムターンの練習方法
ボトムターンはサーフィンの基本中の基本であり、波のエネルギーを利用してスピードを生み出すために不可欠な技術です。サーフスケートでは以下のポイントを意識して練習しましょう:
- STEP
適切な姿勢で直線を滑走
低い姿勢で膝を曲げ、上体を前傾させた状態で直線を滑走します。これはサーフィンでボトムに向かうときのイメージです。この時、目線は進行方向の先を見るようにします。
- STEP
重心を前足にかけながらターン開始
ターンを始める際は、重心を前足に乗せながら内側へ傾けます。この時、肩と上半身を回転方向に先行させ、視線もターンの方向に向けることが重要です。サーフィンでは波のボトム(底)に到達したときに行う動作に相当します。
- STEP
後ろ足でレールにプレッシャーをかける
ターンの途中で後ろ足にウェイトを移動させ、後ろ足でボードのレール(エッジ)に圧力をかけます。この動きがサーフィンにおけるボトムターンの核心部分で、波の力を利用して加速するために不可欠です。
- STEP
上体を開いて加速
ターンの後半では、上体を開き、肩を回転方向に向けながら、膝を伸ばして加速します。この動きはサーフィンで波の斜面を上る際の加速動作に相当します。
サーフスケートでボトムターンを練習する際の最大のポイントは、全身の連動です。特に、肩と腰を連動させ、目線を常にターンの方向に向けることを忘れないでください。また、前足と後ろ足の重心移動も重要で、ターンの始めは前足、中盤から後半は後ろ足に体重を乗せるイメージで練習すると効果的です。
私が特におすすめするのは、カーバースケートの「31.25″ KNOX PHOENIX」モデルでのボトムターン練習です。このモデルはホイールベースが適度(約17.25インチ)で、CXトラックの特性とも相まって、自然なボトムターンの感覚を養うのに最適です。ショートボードに乗るサーファーであれば、このサイズ感が最も実践に近い練習ができるでしょう。
カーバースケートでのボトムターン練習については、Carver C7 レビューでより詳しく解説しています。
アップスアンドダウンズの練習方法
アップスアンドダウンズは波の斜面を上下に移動する基本的なサーフィン動作であり、波のエネルギーを効率的に利用してスピードを維持するために重要です。サーフスケートでは以下のポイントを意識して練習しましょう:
- STEP
推進力を得るポンピング動作
まずは膝を曲げ伸ばしするポンピング動作で前進する練習をします。この時、上半身と下半身の連動を意識し、膝の屈伸と腰のひねりを組み合わせることがポイントです。
- STEP
緩やかなターンでの上下動
S字を描くように緩やかにターンしながら、上り(アップ)と下り(ダウン)の動きを繰り返します。上りでは膝を伸ばして上体を起こし、下りでは膝を曲げて上体を前傾させます。
- STEP
リズムとフローの意識
アップスアンドダウンズの核心は「リズム」です。上下動とターンを滑らかに連動させ、一定のリズムで繰り返すことで、サーフィンのフローを体得します。リズムが崩れたら一度立ち止まり、基本から意識し直しましょう。
- STEP
スピードコントロールの練習
アップスアンドダウンズの動きを使って、意図的に加速・減速する練習をします。ダウンの動きでスピードを得て、アップの動きでコントロールするイメージです。サーフィンでの波の読み方とスピードコントロールに直結するスキルです。
アップスアンドダウンズの練習では、全身の連動と流れるようなリズムが最も重要です。機械的に上下動するのではなく、波の上で自然に動くイメージを持ちながら練習しましょう。また、目線は常に進行方向を意識することも忘れないでください。
アップスアンドダウンズの練習には、カーバーのCXトラックを搭載したモデルが特に適しています。CXトラックは適度な抵抗感があるため、リズミカルな動きを身につけやすいからです。私の経験では、YOWのようにトラックの動きが大きすぎると、実際のサーフィンとは異なる癖がついてしまう可能性があります。
アップスアンドダウンズの詳細な練習方法については、アップスンダウンが上達する練習方法まとめで詳しく解説しています。
カットバックの練習方法
カットバックは波の肩(ショルダー)に戻るための重要なマニューバーで、中級者以上のサーファーに必須のスキルです。サーフスケートでは以下のポイントを意識して練習しましょう:
- STEP
十分なスピードをつける
カットバックは十分なスピードがないと成立しません。まずはポンピングやダウンヒルを利用して、適切なスピードを得ることから始めましょう。サーフィンでも同様に、波のエネルギーを利用して十分なスピードを得ることが前提です。
- STEP
上半身の先行回転
カットバックを始める際は、まず上半身(特に肩と腕)を回転方向に向けます。この時、顔と視線も回転先方向に向けることが重要です。上半身の回転が下半身と板の動きを導くイメージです。
- STEP
後ろ足でのレールコントロール
カットバックの核心は後ろ足の使い方です。後ろ足にウェイトをかけ、レールに圧力をかけることでターンの勢いとラインを制御します。この感覚はサーフィンで波の力と戦う際の感覚とほぼ同じです。
- STEP
前足への重心移動と加速
ターンが完了したら、前足に重心を移して加速します。この時、膝を伸ばして姿勢を高くすることで推進力を得られます。サーフィンでは波のパワーゾーンに戻って再加速する動きに相当します。
カットバックの練習で最も注意すべきは、後ろ足の使い方です。多くの人が前足だけでカットバックをしようとしますが、これでは力強いターンはできません。実際のサーフィンでも同様に、後ろ足でレールを踏み込むことでパワフルなカットバックが可能になります。
また、カットバックでは肩と腰の連動、視線の方向も非常に重要です。練習の際は、常に進行方向を見る癖をつけましょう。サーフィンでも視線の方向に体が従うという原則は同じです。

リエントリーの練習方法
リエントリーは波のトップから再び波に戻る動作で、サーフィンの中でも難易度の高いマニューバーの一つです。サーフスケートでは完全に再現することは難しいですが、以下のポイントを意識して練習することで、実際のサーフィンにつながるスキルを身につけることができます:
- STEP
スピードを持ってバンク(傾斜)を上る
スケートパークなどでバンクやトランジションを使用する場合は、十分なスピードを持って上ることが大切です。平地で練習する場合は、想像上の傾斜を上るイメージを持ちましょう。
- STEP
上りきった瞬間のウェイトシフト
バンクを上りきる(サーフィンでは波のトップに到達する)瞬間に、重心を前足から後ろ足に移動させます。この時、上体も後方にやや傾けます。このウェイトシフトがリエントリーの核心です。
- STEP
体をひねって方向転換
体を反対方向にひねりながら、サーフスケートの向きを変えます。この時、肩と腰の連動を意識し、視線も進行方向に向けることが重要です。サーフィンでリップを叩く動作に相当します。
- STEP
前足への重心移動と着地
方向転換が完了したら、再び前足に重心を移動させて下りに備えます。サーフィンでは波に再突入する時の姿勢に相当します。この時、膝をしっかり曲げてショックを吸収する姿勢を作ります。
リエントリーの練習では、ウェイトシフトのタイミングが最も重要です。早すぎても遅すぎても、スムーズな動きができません。また、上体のひねりと視線の方向も意識してください。
リエントリーの練習は、できればスケートパークのバンクやボウルなどを使うとより効果的です。ただし、初心者は安全面に十分注意し、必ず適切な保護具を着用してから挑戦してください。平地でも、イメージトレーニングとして同様の動きを練習することは可能です。

アキ
サーフスケートでの練習と実際のサーフィンって、どのくらい関連性があるんすか?陸での練習が本当に海での上達につながるんすか?

AI先生
科学的に見れば明らかだ。サーフスケートではサーフィンの「筋肉メモリー」と「神経回路」を構築できる。特に体幹、下半身の連動、ウェイトシフトの感覚は直接転用可能だ。研究でも、陸上練習で獲得した運動スキルは70-80%が実際の競技に転移することが証明されている。重要なのは「無意識の意識化」だ。サーフスケートで意識的に体を動かすことで、サーフィンでは自然にその動きができるようになる。ただし、波のエネルギーとの対話はサーフィンでしか学べない。両方をバランスよく実践することが最も効果的だ。
安全な乗り方と注意点
サーフスケートはサーフィン練習に効果的なツールですが、同時にケガのリスクも伴います。ここでは、安全にサーフスケートを楽しむための重要ポイントを解説します。
必須の安全装備
サーフスケートを始める前に、以下の安全装備を必ず用意しましょう:
- ヘルメット:頭部保護のために最も重要。スケートボード用または自転車用の認証済みヘルメットを選ぶこと。
- 手首ガード:転倒時に最も負傷しやすい手首を保護。硬質プラスチックのサポート付きが理想的。
- ひじパッド・ひざパッド:関節の保護に必要。特にスケートパークなど硬い地面での練習時は必須。
- 適切なシューズ:グリップの良いスケートシューズが理想的。裸足やサンダルでの走行は絶対に避ける。
私自身、スケートパークでの練習中に大きな転倒事故を経験しました。カーバースケートで滑走中、予想以上のスピードが出てコントロールを失い、コンクリートの縁に激突したのです。この時、ヘルメットと手首ガードを着用していたおかげで大事には至りませんでしたが、ヘルメットには大きな傷がつき、手首ガードも変形するほどの衝撃でした。
「もしヘルメットを着用していなかったら…」と考えると今でも背筋が凍ります。頭部を強く打っていたら、最悪の場合、命に関わる怪我をしていたかもしれません。この経験から、いかなる場合も必ず安全装備を着用することの重要性を痛感しました。特にサーフィンがメインの方は、スケートボードの経験が少ないため、より慎重な姿勢が必要です。
詳しくはスケボーパークで転倒!ヘルメットとプロテクターに救われた実例で体験談を紹介しています。

適切な練習場所の選び方
安全にサーフスケートを楽しむためには、練習場所の選択も重要です:
- 初心者向け練習場所:平坦で広い駐車場、公園の舗装部分、空いた学校の校庭など。
- 中級者向け練習場所:緩やかな傾斜のある場所、スケートパークの初心者エリア。
- 上級者向け練習場所:スケートパークのボウルやトランジション、波のような起伏のあるエリア。
練習場所を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう:
- 交通量がない、または非常に少ない場所を選ぶ
- 路面の状態をよく確認(凹凸、小石、割れ目などに注意)
- 十分な広さがあり、障害物が少ない環境
- 練習が禁止されていないエリアであることを確認(条例等で禁止されている場所もある)
- 周囲の人に迷惑をかけない配慮(騒音や危険性)
私が特におすすめするのは、近隣の小学校や中学校の校庭(使用許可がある場合)や、広い公共駐車場の空いているエリアです。特に初心者のうちは、人が少なく、安全に転倒できる場所で練習することが重要です。
避けるべき危険な乗り方
安全に楽しむために、以下のような危険な乗り方は絶対に避けましょう:
- 過度な速度:特に下り坂では自分のコントロール能力を超えるスピードが出やすい。初心者は緩やかな場所から始め、徐々にレベルを上げること。
- 交通量の多い道路での走行:車やバイクとの接触事故のリスクが非常に高い。絶対に避けるべき。
- 暗くなってからの走行:視認性が低下し、路面の状態も把握しづらくなる。日没前に練習を終えるか、十分な照明がある場所で行う。
- 無理な技の挑戦:段階を踏まずに難しい技に挑戦すると怪我のリスクが高まる。基本から順を追って練習すること。
- 安全装備なしでの走行:どんなに短時間、簡単な練習でも必ず安全装備を着用する習慣をつける。
- 雨天時や濡れた路面での走行:グリップが極端に低下し、非常に危険。避けるべき。
私の経験から特に強調したいのは、「下り坂の危険性」です。サーフスケートはトラックの構造上、一般的なスケートボードより不安定で、特に下り坂では予想以上にスピードが出やすく、制動も難しいです。私がスケートパークで転倒した時も、予想外のスピードがついたことが原因でした。
また、サーフィンがメインの方は特に注意が必要です。サーフィンでは水中で転倒するため、陸上での転倒への対処が不慣れなことが多いからです。安全に楽しむためには、最初は基本的な動きから始め、徐々にレベルを上げていくことをおすすめします。
サーフスケートのメンテナンスと長持ちさせるコツ
サーフスケートは適切なメンテナンスを行うことで、性能を維持し、長期間使用することができます。ここでは、サーフスケートを長持ちさせるための基本的なメンテナンス方法を紹介します。
ベアリングの清掃と注油
ベアリングは定期的な清掃と注油が必要です。以下の手順で行いましょう:
- STEP
ベアリングの取り外し
まずウィールからベアリングを取り外します。専用のベアリングプーラーがあると便利ですが、アクスルを使って押し出すこともできます。
- STEP
清掃
専用のクリーナーかイソプロピルアルコールなどの溶剤でベアリングを洗浄します。ベアリングを溶剤に浸し、汚れを溶かしてから取り出します。
- STEP
乾燥
ベアリングを完全に乾かします。エアコンプレッサーがあれば使用すると効果的ですが、ない場合は自然乾燥させます。
- STEP
注油
専用のベアリングオイルか、軽いシリコンオイルを1-2滴注入します。過剰な注油は逆に汚れを集めるため注意が必要です。
- STEP
再装着
ベアリングをウィールに戻し、ウィールをトラックに取り付けます。この時、ナットの締め具合に注意しましょう。
ベアリングのメンテナンスは、使用頻度や環境によって異なりますが、一般的には3-6ヶ月に一度、もしくは回転が悪くなったと感じたときに行うとよいでしょう。特に雨に濡れたり、砂やほこりの多い環境で使用した場合は、早めのメンテナンスが必要です。
ウィールのローテーション
ウィールは使用していくうちに偏摩耗します。特にカービングの多いサーフスケートでは、前後・左右で摩耗の度合いが異なります。以下のポイントを参考にローテーションを行いましょう:
- ローテーションのタイミング:偏摩耗が目立ち始めたら(通常1-2ヶ月に一度)
- ローテーション方法:前後の入れ替え、または対角線上での入れ替え
- 注意点:ウィールの向きを維持するか、あえて逆向きにするかは好みで決定
ウィールローテーションを定期的に行うことで、ウィールの寿命が延び、常に均一な乗り心地を維持できます。また、偏摩耗が進むと操作性にも影響するため、サーフィンの練習効果を最大化するためにも重要です。
トラックの調整方法
サーフスケートの乗り心地や操作性は、トラックの調整で大きく変わります。特にキングピンナットの締め具合がポイントです:
- 締めすぎ:安定性は増すが、ターンが硬くなり操作性が低下
- 緩めすぎ:ターンは軽くなるが、不安定になりウィールバイト(ボードとウィールが接触)のリスクが増加
- ブッシュの交換:硬さの異なるブッシュに交換することで、より細かい調整が可能
トラックの調整は、自分の体格やライディングスタイル、技術レベルに合わせて行います。始めは少し硬めに設定し、慣れてきたら徐々に緩めていくのがおすすめです。ただし、安全面を考慮して、極端に緩めることは避けましょう。
カーバーのCXトラックの場合、前後で異なる調整が可能です。一般的には前輪を少し緩め、後輪を少し硬めに設定すると安定性とターン性能のバランスがとれます。
保管方法と注意点
適切な保管も、サーフスケートの寿命を延ばす重要な要素です:
- 屋内保管:直射日光や雨を避け、乾燥した屋内に保管する。
- 立てかけ/吊り下げ:長期間床に置いたままにすると、デッキが反る可能性がある。壁に立てかけるか、専用ラックに吊り下げるのがベスト。
- 重量物を載せない:デッキに重いものを載せると変形の原因になる。
- 湿気対策:湿度の高い場所での保管は、木製デッキの劣化やベアリングの錆の原因になる。
- トラックの圧力解放:長期間使用しない場合は、トラックのキングピンナットを少し緩めておくと、ブッシュの寿命が延びる。
また、定期的な点検も重要です。特に以下の点に注意しましょう:
- ボルトやナットの緩み(特にトラックのマウントボルト)
- デッキのひび割れや異常な反り
- ウィールの偏摩耗や変形
- トラックの動作状態(スムーズさ、異音など)
- ベアリングの回転状態
これらの定期的なメンテナンスと適切な保管を行うことで、サーフスケートの性能を最大限に引き出し、長く愛用することができます。特にトラックはサーフスケートの心臓部分なので、定期的な点検と調整を心がけましょう。
サーフスケートに関するQ&A
Q
普通のスケートボードと何が違うの?
A
サーフスケートは、前輪のトラックが特殊な構造をしており、より広い範囲で可動します。これにより、通常のスケートボードでは難しい、サーフィンのようなカービングターンやポンプ動作が可能になります。平地でもサーフィンの動きを練習できる点が大きな違いです。
Q
どれくらいの頻度で練習すればサーフィンが上達する?
A
練習頻度は個人のレベルや目標によって異なりますが、週に2〜3回、1回あたり30分〜1時間程度の練習を継続することで、徐々にサーフィンの動きが身についてくるでしょう。重要なのは頻度よりも、正しいフォームを意識して質の高い練習をすることです。
Q
サーフスケートに乗れるようになるまでどれくらいの期間がかかる?
A
個人差が大きいですが、全くの初心者であれば、基本的なプッシュや停止、簡単なカービングができるようになるまでには数週間程度の練習が必要となることが多いです。より複雑な動きやポンピングを習得するには、さらに継続的な練習が必要です。
Q
初心者におすすめの練習場所は?
A
平坦で広い駐車場や公園の舗装された場所、交通量の少ない安全な場所がおすすめです。最初は障害物のない広いスペースで、基本的な姿勢やプッシュ、停止の練習から始めましょう。慣れてきたら、緩やかな傾斜のある場所でカービングの練習をするのも良いでしょう。
まとめ
本記事では、20年以上のサーフィンとサーフスケートの経験に基づき、サーフィン練習に最適なサーフスケートの選び方とおすすめモデルを徹底解説しました。サーフスケートは、陸上でのサーフィントレーニングにおいて非常に有効なツールであり、ボトムターンやアップスアンドダウンズといった基本的なサーフィン動作の習得に役立ちます。主要ブランドであるCarver、YOW、nanazero、ウッディープレスの特徴を比較し、体格やレベルに合わせた選び方のガイド、そしておすすめモデルをご紹介しました。
トラックの構造(CX、C7など)やウィールの選び方も重要であり、安全に楽しむためにはヘルメットやプロテクターの着用、適切な練習場所の選択が不可欠です。また、サーフスケートを長く愛用するためには、定期的なメンテナンスも心がけましょう。
特に、一般的なサーファーのサーフィン練習には、CarverのCXトラックを搭載したモデル、中でもテイラーノックスの「31.25″ KNOX PHOENIX」がおすすめです。ホイールベースやデッキ形状が、多くのサーファーにとって理想的な練習をサポートします。また、日本ブランドであるnanazeroのサーフスケートも、コストパフォーマンスに優れ、日本人の体格や波質に合わせた設計が魅力です。
今後も、私ヒガシーサーは、長年の経験を活かし、より多くの一般サーファーの練習に適したサーフスケートの開発を積極的に進めていく予定です。引き続き、POCKET SURFでは最新の情報やおすすめモデルを発信していきますので、ぜひ参考にしてください。