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膝波でも楽しみたい週末サーファーへ
小波の日が続くと、サーフィンが楽しめない。
そんな悩みを抱える週末サーファーは多いです。
平日は仕事で海に行けず、週末だけ。
そんな限られた時間の中で、小波の日に当たってしまうと、せっかくの休日が台無しになってしまいます。
今回レビューするnanazero SH02は、まさにそんな小波での楽しさを追求したボードです。
テストライダーとして開発段階から関わり、3ヶ月間10セッション以上実際に使用した経験から、正直な評価をお伝えします。
結論から言うと、クアッドフィンで真価を発揮する、膝〜胸波の中級者向けショートボードです。
nanazero SH02の基本スペック
商品名 | nanazero SH02 スモールウェーブパフォーマンス |
価格 | ¥79,800(税込) |
素材 | Standard EPS |
サイズ展開 | 5’8″(29.9L) / 5’10″(33.0L) / 6’0″(36.0L) |
フィン | 5プラグ(トライ/クアッド両対応) |
推奨レベル | 中級者以上 |
推奨波サイズ | 膝〜胸(小波で真価発揮) |
構造の特徴
- デッキ: 4oz+6oz ファイバーグラス
- ボトム: 6oz ファイバーグラス
- コア: リサイクルEPSフォーム
- ストリンガー: バンブー合板
- ボトム形状: シングル〜ダブルコンケーブ+テールVEE
SH02の設計思想とは
SH02は「フロー」と「レスポンス」を融合させた設計です。
ワイドなアウトラインがパドルとテイクオフを容易にし、やや強めのロッカーがクイックなターンを実現します。
*サーフボードの設計は基本的に、波キャッチ性能を高くするとターン性能が落ち、ターン性能を高くすると波キャッチ性能が落ちます。なのでバランスを考えることが重要です。
SH02は、通常のショートボードよりも若干波キャッチ性能を高くしつつ、ターン性能は多少落としつつも、サーファーのスキル次第ではコントロールがしやすいという設計になっています。

メイ
小波用なのにロッカーが強いの?
メイ:サーフィン歴3年の初級者
一般的な小波用ボードはフラットロッカーが多いですが、SH02はあえて強めに設定しています。
これにより、掘れる波やチューブでも安定します。実際に沖縄のシャローリーフでチューブライドができました。
ヒガ:サーフィン歴20年の解説者

ヒガ
5プラグ設定の真の意味
トライでもクアッドでも乗れる5プラグ設定。
しかし、3ヶ月使用した結論は明確です。
このボードはトライフィンとクアッドフィンが楽しめる5プラグで設計されています。
ワイドなテールとクアッドフィンの相性が抜群で、4枚のフィンが荷重を分散することで、ドライブ感を保ちながらルースに動けます。
私の印象では、トライフィンよりもワイドテールの利点を活かせるクアッドフィンの方が相性は良いと思いました。
実際に使用した波質別パフォーマンス
3ヶ月で10セッション以上、様々なコンディションで試しました。
韓国Wave Park M3-M4(腹〜胸のクリーンな波)

nanazero SH02 クアッドフィンを使って、人生初のフルレールのトップターンができました。
クアッドフィンのセッティングで、レールの入れ方が丁寧であればスムーズに乗れます。逆に踏み込んだり、蹴り込んだりするサーフィンをする場合は向いていません。
ロブ・マチャドのような、踏み込まず、蹴り込まない脱力したサーフィンが好きな方には向いていると思います。
カットバックも引っ掛かりなくスムーズで、中級者の技術練習に最適です。
実際にSH02を韓国ウェーブパークに持参してコーチングを受けた体験については、コレクトサーフ コーチング合宿 in 韓国ウェーブパーク 4泊5日の正直な感想で詳しくレポートしています。
沖縄 シャローリーフのチューブ波(腹〜胸)

波キャッチが速く、ロッカーのバランスも良いので、安定したテイクオフからチューブも果敢に攻めることができました。
いつもなら躊躇する浅い掘れる波でも、安定してテイクオフできるのが大きなメリットですね。
これはやや強めのロッカー設定が功を奏しています。
台風ウネリの頭サイズ(厚みのある波)
私のスキルレベルでは頭サイズのパワーのある波では難しかったです。
レールが薄く反応が速すぎて、中級レベルの私ではコントロールが難しい。
パワーのある大きな波よりも、膝〜肩サイズの波が最も乗りやすいですね。
膝〜腰の小波(チョッピーコンディション)
波キャッチは速いものの、EPSの軽さがチョッピーな風波では弱点になります。
私は腰以上、面が良いコンディションで乗る方が良いと感じました。
結論:このボードが最も輝くのは、膝〜胸の面が良いコンディションです。
SH02のメリット・デメリット
3ヶ月使用した正直な評価をお伝えします。
- クアッドフィンで真価を発揮:ワイドなテールとの相性が抜群
- 波キャッチの速さ:通常のショートボードより明らかにテイクオフ本数が増加
- ショート感覚で乗れる反応の良さ:クイックに動き、ターンも楽しめる
- 幅広い波質対応:膝〜胸の面が良い波で安定したパフォーマンス
- 環境配慮型の素材:リサイクルEPSフォームとバンブーストリンガー使用
- センターフィンのポジションはハーフインチ分下げた方が良い
- トライフィンだと中途半端:引っ掛かりを感じる
- レールが薄くシビア:少し傾けただけでレールが入るため、繊細なコントロールが必要
- 頭以上の波には不向き:パワーのある大きな波ではコントロールが難しい
- チョッピーコンディションに弱い:EPSの軽さが風波では不利
おすすめする人・しない人
このボードが合う人
- NSA4〜2級レベルの中級者〜上級者
- 普段の波質が膝〜胸のコンディション
- ショートボード経験があり、繊細なレールワークができる人
- クアッドフィンで乗る前提で考えられる人
- 週末の限られた時間で効率的に楽しみたい人
このボードが合わない人
- 初心者〜初級者(レールが薄くシビア)
- ハイパフォーマンス志向の人
- 頭以上の大きな波が好きな人
- トライフィンにこだわる人
- チョッピーなコンディションがメインのポイント

メイ
nanazeroの他のモデルとはどう違うの?
SH04がハイパフォーマンス、SH03が小波用ハイパフォーマンスだとしたら、SH02はパフォーマンス寄りですがSH03よりもっと小波に適したモデルです。
各ボードの詳しい内容はnanazero SH03のレビューとnanazero SH04のレビューでまとめています。
SH02はFish IIをスクエアテールにしてクアッドにした感じと言えますね。

ヒガ
体重別・レベル別サイズ選びのポイント
自分に合ったサイズを選ぶことが重要です。
5’8″(29.9L)推奨
- 体重: 50-65kg
- レベル: 中級者〜上級者
- 推奨波サイズ: 膝〜胸
私(163cm/55kg)はこのサイズで、4-5Lのオーバーフローでしたが、40代の体力でも問題なくコントロールできました。
5’10″(33.0L)推奨
- 体重: 60-75kg
- レベル: 中級者〜上級者
- 推奨波サイズ: 膝〜頭
最も汎用性の高いサイズで、幅広いコンディションに対応します。
6’0″(36.0L)推奨
- 体重: 70-85kg
- レベル: 中級者〜上級者
- 推奨波サイズ: 腰〜頭
体格の良い方や、さらなる浮力を求める方におすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q
SH03との違いは何ですか?
A
SH03はトライフィン仕様の小波ハイパフォーマンスモデルです。SH02は5プラグでクアッド推奨、よりワイドなアウトラインが特徴です。SH02の方がさらに小波に特化しており、浮力が高く波キャッチが速いです。
Q
初心者でも使えますか?
A
おすすめしません。レールが薄くシビアなため、初心者には難しいです。基本的なターンができるNSA4級以上の中級者向けボードです。初心者の方は、より浮力があり安定したnanazeroの他のモデルをご検討ください。
Q
トライフィンでも使えますか?
A
使えますが、中途半端な性能になります。センターフィンポジションが高めで、引っ掛かりを感じました。このボードの真価を引き出すには、クアッドフィンセッティングを強く推奨します。
Q
体重70kgだとどのサイズがおすすめですか?
A
5’10″(33.0L)または6’0″(36.0L)がおすすめです。より小波重視なら6’0″、オールラウンド性を求めるなら5’10″を選ぶと良いでしょう。体力やスキルレベルに応じて選択してください。
Q
フィンは付属していますか?
A
付属していません。5プラグ(Futuresシステム)対応なので、別途クアッドフィンを購入する必要があります。nanazeroのHoneycombクアッドフィンセット(¥11,680)がおすすめです。
まとめ:nanazero SH02はこんなボード
3ヶ月間の使用を通じて見えてきたSH02の実力。
膝〜胸の面が良い波で、クアッドフィンで乗る。
これがオススメです。
週末の限られた時間で、小波でも楽しみたい。
そんな中級者以上のサーファーにとって、SH02は素晴らしい選択肢になります。
ただし、レールの薄さやトライフィンでの中途半端さなど、デメリットも理解した上で選ぶことが重要です。
テストライダーとして開発段階から関わった経験から言えば、もしさらに改善するなら、レールとテールをもう少し厚くして小波に特化するか、センターフィンポジションを下げてトライでも楽しめるようにしたいところです。
現状はパフォーマンスと小波用の両方を狙って、両方が中途半端になっている印象があります。
しかし、クアッドフィンで膝〜胸の面が良い波に乗る、という条件さえ満たせば、このボードは素晴らしいパフォーマンスを発揮します。
週末サーファーの小波ライディングを、確実に楽しいものにしてくれるボードです。
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