この記事でわかること
- サーフィンの3大動作(パドリング・テイクオフ・ライディング)別の陸トレメニュー
- 自宅で器具なし・15分でできるトレーニングの具体的な手順と回数
- 40代サーファーが怪我なく続けるためのストレッチとリカバリー
- サーフスケート・バランスボード・動作トレの「3軸トレーニング」体系
サーフィンの陸トレは、パドリング・テイクオフ・ライディングの3動作を「筋トレ」「サーフスケート」「動作トレーニング」の3軸で鍛えるのが最も効率的です。
40歳を過ぎた頃、パドリングで肩と肘に痛みが出るようになりました。週末だけのサーフィンなのに体が追いつかない。「もう年だから仕方ない」と諦めかけたとき、コレクティブサーフィンフィットネスに出会い、科学的な動作トレーニングで痛みが消えた経験があります。
この記事では、サーフィン歴20年以上・100本以上のボードを試してきた経験から、週末サーファーが自宅で無理なく続けられる陸トレメニューを動作別に紹介します。
目次
なぜ陸トレが必要なのか【週末サーファーこそ効果が大きい】
週末サーファーが海に入れるのは月4〜8回。限られたセッションで上達するには、陸上で体の準備を整えておくことが重要です。
サーフィンの時間配分を見ると、約60%がパドリング、約30%が待機、実際に波に乗っている時間は約10%しかありません。つまり「波に乗る動作」は海では圧倒的に練習回数が少ないのです。テイクオフやターンの動作パターンは、陸上で繰り返し体に覚えさせた方が効率的です。
特に40代以降は、海に入らない日に体のメンテナンスをしないと、肩周りの可動域が狭まりパドリングの質が落ちます。私自身、陸トレを習慣にしてからパドリングで肩が疲れにくくなり、セッション後半でも波を追える体力が戻りました。
3軸トレーニング体系【筋トレ×サーフスケート×動作トレ】
陸トレというと「筋トレメニュー一覧」を思い浮かべる方が多いですが、筋力を鍛えるだけではサーフィンは上達しません。必要なのは以下の3軸です。
| 軸 | 何を鍛えるか | 代表的なツール | 頻度の目安 |
|---|---|---|---|
| 1. 筋トレ・ストレッチ | 筋力・柔軟性・持久力 | 自重・トレーニングチューブ | 週2〜3回・各15分 |
| 2. サーフスケート | 動作パターン(ターン・ポンピング) | サーフスケート | 週2〜3回・各15〜30分 |
| 3. 動作トレーニング | 体の使い方・協調性 | コレクティブサーフィンフィットネス等 | 週1回・60分 |
「筋肉を鍛える」と「動作を覚える」は別のことです。いくら筋トレで体を鍛えても、サーフボード上で正しい体の使い方ができなければ意味がありません。この3軸を組み合わせることで初めて「海で使える体」が完成します。
パドリング強化メニュー【肩甲骨がすべてを決める】
パドリングはサーフィン時間の約60%を占める動作です。腕の力ではなく、背中の筋肉(広背筋)と肩甲骨の可動域を使うことで疲労を大幅に減らせます。
なぜ腕ではなく肩甲骨なのか
パドリングの主動作筋は広背筋(背中の最大の筋肉)です。腕で水をかこうとすると三角筋や上腕二頭筋という小さな筋肉に頼ることになり、すぐに疲れます。肩甲骨を大きく動かして広背筋を使うことで、大きな筋肉で水をキャッチでき、持久力が格段に上がります。
メニュー1: 肩甲骨の寄せ・開きエクササイズ
やり方: 両腕を前に伸ばし、肩甲骨を広げる(猫背の姿勢)→ 肘を引いて肩甲骨を寄せる(胸を張る姿勢)。ゆっくり10回×3セット。
なぜ効くか: パドリングのエントリー(手を前に伸ばす)とキャッチ(水を引く)の動作そのものです。肩甲骨の可動域が広がると、1ストロークでキャッチできる水の量が増え、少ない回数で進めるようになります。
メニュー2: スーパーマン(バックエクステンション)
やり方: うつ伏せの状態から、両手両足を床から浮かせて3秒キープ → 下ろす。10回×3セット。
なぜ効くか: パドリング中は背中を反らせた姿勢を維持し続けます。脊柱起立筋と広背筋を同時に鍛えることで、長時間のパドリングでも姿勢が崩れにくくなります。
メニュー3: チューブプル(トレーニングチューブ使用)
やり方: ドアノブや柱にチューブを固定し、パドリングと同じ動作で引く。軽負荷で20〜30回×3セット。
なぜ効くか: パドリングは重い負荷を少ない回数かけるのではなく、軽い負荷を何百回も繰り返す持久系の動作です。高回数・低負荷でのトレーニングが実際のパドリングに最も近い負荷パターンになります。
パドリングのフォームや原理を詳しく知りたい方は「サーフィン パドリング フォーム|肩を痛めない「小指入水・肘引き」4つの原則」もあわせてご覧ください。
テイクオフ強化メニュー【爆発力と脚の引きつけ】
テイクオフは「ボードを押し上げる→脚を引きつける→立ち上がる」という一連の動作を1〜2秒で完了させる爆発的な動きです。海では1セッションで練習できる回数が限られるため、陸上での反復が最も効果的です。
メニュー4: ポップアップドリル(床でのテイクオフ反復)
やり方: うつ伏せの状態から、両手でボードを押し上げるように胸を持ち上げ → 一気に脚を引きつけてサーフィンのスタンスで立つ。10回×3セット。
なぜ効くか: テイクオフの動作パターンそのものを体に覚えさせるトレーニングです。腸腰筋(脚を引きつける筋肉)と大胸筋・上腕三頭筋(ボードを押し上げる筋肉)を連動させる神経系のトレーニングとして最も直接的です。
40代向けの注意点: 膝に不安がある方は、まず膝をついた状態から立ち上がる「ハーフポップアップ」から始めてください。無理に速さを追求する必要はありません。
メニュー5: バーピージャンプ(全身の爆発力)
やり方: 立った状態からしゃがむ → 両手を床について脚を後ろに蹴り出す → 腕立て伏せ → 脚を引きつけて立つ → ジャンプ。5〜8回×3セット。
なぜ効くか: テイクオフに必要な「プッシュアップ→脚の引きつけ→立ち上がり」の一連の動作を全身の爆発力と組み合わせて鍛えられます。心肺機能も同時に向上するため、セッション後半のテイクオフが楽になります。
テイクオフの詳しいコツは「サーフィン テイクオフのコツ|20年の実践者が教える「波に乗る」3原則」で解説しています。ポップアップの細かいチェックポイントは「サーフィン ポップアップ 練習|海に入る前に陸トレで完成させる3つのチェックポイント」をご覧ください。
ライディング強化メニュー【体幹と下半身の安定性】
ライディング中はスクワットに近い姿勢を維持しながら、ターンのたびに体幹で上半身と下半身を連動させます。体幹が弱いとボード上でグラつき、ターンの切り返しが遅れます。
メニュー6: プランク(体幹の基礎)
やり方: 肘とつま先で体を支え、頭からかかとまで一直線をキープ。30秒×3セット。慣れたら45秒→60秒に延長。
なぜ効くか: 腹横筋(お腹のインナーマッスル)と脊柱起立筋を同時に鍛え、ボード上で体がブレない安定感を作ります。パドリング時の体のブレも改善されるため、すべてのサーフィン動作の基礎になります。
メニュー7: サイドプランク(ターンの安定性)
やり方: 横向きで肘とつま先で体を支える。左右各20秒×3セット。
なぜ効くか: ターン時に体が傾いても軸を保つための腹斜筋と中殿筋を鍛えます。特にバックサイドターンで腰が引けてしまう方は、ここが弱いケースが多いです。
メニュー8: バードドッグ(背中と体幹の協調性)
やり方: 四つん這いの姿勢から、右手と左脚を同時に伸ばして3秒キープ → 戻す → 左手と右脚。10回×3セット。
なぜ効くか: 対角線上の手足を連動させることで、体幹の安定性と背中の協調性を同時に鍛えます。サーフボード上では上半身と下半身が別の動きをする場面が多く(上半身で波の方向を見ながら下半身でレールを入れる等)、この協調性がターンの質を決めます。
サーフスケートで動作パターンを刻む

サーフスケートはサーフボード上の動きを陸上で反復練習できる唯一のツールです。筋トレで鍛えた筋力を「サーフィンの動きとして使える形」に変換する役割を担います。
オーストラリア等のサーフィン先進国ではプロの陸上トレーニングとして公式に採用されており、週3〜4回・1回15〜30分の練習で効果を実感できます。
私はYouTubeでサーフスケート動画を公開していた時期があります。最初はポンピングすらまともにできず、何度も転倒しました。「これがサーフィンに効くのか?」と半信半疑でしたが、1ヶ月続けたあたりから海でのボトムターンの安定感が明らかに変わりました。サーフスケートで繰り返した「低い姿勢からの切り返し」が、海でのライディング時に「体が先に動く」感覚として現れたのです。
基本の練習メニュー:
- ポンピング(5分): 膝の屈伸とレール切り替えで加速する基本動作
- ボトムターン練習(5分): 低い姿勢からの切り返し。目線と肩のリードを意識する
- カットバック練習(5分): パワーゾーンに戻る動作。上半身の先行回旋を体に覚えさせる
サーフスケートの選び方は「サーフスケート おすすめ5選」、乗り方の基本は「サーフスケートの乗り方|初心者が1週間で上達するコツ」で詳しく解説しています。
40代サーファーのストレッチとリカバリー【怪我予防が最優先】
40代以降は「鍛える」と同時に「ほぐす」ことが必須です。肩周りの可動域が狭いまま無理にパドリングすると四十肩のリスクが高まります。
私は過去に肩を脱臼した経験が2回あります。その後も無理なパドリングを続けた結果、慢性的な肩の痛みに悩まされました。ストレッチとモビリティワークを習慣にしてからは、痛みが出なくなっただけでなくパドリングの効率も上がりました。
サーフィン前: ダイナミックストレッチ(5分)
サーフィン前は筋肉を伸ばすのではなく、関節を大きく動かして体を温めるダイナミックストレッチが適切です。
- 肩甲骨の円回し: 前回し10回 → 後ろ回し10回。肩の可動域を確保する
- 胸椎の回旋: 四つん這いで片手を頭の後ろに当て、体を開く。左右各5回
- 股関節オープナー: ランジの姿勢から、前脚側に体をひねる。左右各5回
- 腕振り: 両腕を大きく前後に振る。20回。全身の血流を促す
サーフィン後: スタティックストレッチ(5分)
サーフィン後は筋肉をじっくり伸ばすスタティックストレッチでリカバリーを促進します。
- 大胸筋ストレッチ: 壁に手をついて体を開く。左右各20秒
- 広背筋ストレッチ: 腕を上に伸ばし、横に倒す。左右各20秒
- ハムストリングスストレッチ: 立った状態で前屈。20秒
- 腰回りのストレッチ: 仰向けで膝を横に倒す。左右各20秒
ストレッチの詳しいやり方は「サーフィンの準備運動とストレッチのやり方」で解説しています。リカバリーアイテムを知りたい方は「40歳からのベスト回復アイテム5選」もご覧ください。
週間トレーニングスケジュール【週末サーファー向け】
週1〜2回海に入る週末サーファーを前提にした、現実的なスケジュール例です。
| 曜日 | メニュー | 所要時間 |
|---|---|---|
| 月 | サーフスケート(ポンピング+ターン練習) | 15〜30分 |
| 火 | 体幹トレ(プランク+サイドプランク+バードドッグ) | 15分 |
| 水 | 休み or 軽いストレッチのみ | 5分 |
| 木 | パドリング強化(肩甲骨+スーパーマン+チューブプル) | 15分 |
| 金 | テイクオフ強化(ポップアップ+バーピー)+ ダイナミックストレッチ | 15分 |
| 土 | サーフィン(海)+ サーフィン後ストレッチ | — |
| 日 | サーフィン or 完全休養 | — |
大事なのは「毎日やる」ことではなく「続けられるペース」で始めることです。まずは週2回・各15分から始めて、習慣になったら増やしていけば十分です。私も最初は火曜と木曜の15分だけから始めました。
よくある失敗パターンと対処法
SNSやブログを通じて多くのサーファーから悩み相談を受けてきた中で、陸トレに関して特に多い失敗パターンを3つ紹介します。
失敗1: いきなりハードなメニューを始めて3日で挫折
「バーピー20回×5セット」のようなメニューを初日から始めて、筋肉痛で動けなくなるパターンです。陸トレは継続が前提。最初は「物足りない」くらいの負荷で十分です。まずはプランク30秒×1セットからでもいいので、「やった」という実績を積み重ねてください。
失敗2: 筋トレだけやって海で使えない
ジムで鍛えた筋肉がサーフィンで使えないという相談は非常に多いです。原因は「筋力」と「動作パターン」が紐づいていないこと。ベンチプレスで大胸筋を鍛えても、テイクオフのプッシュアップとは動作が違います。筋トレの後にポップアップドリルやサーフスケートで「サーフィンの動きに変換する」ステップが欠かせません。
失敗3: ストレッチを省略して怪我をする
特に40代以降で多いのが、ウォームアップなしで海に入り肩や腰を痛めるケースです。海に着いたらすぐに入りたい気持ちはわかりますが、5分のダイナミックストレッチで怪我のリスクは大幅に下がります。長くサーフィンを続けるために、この5分を省略しないでください。
よくある質問
Q. 陸トレの効果はどのくらいで実感できる?
体幹トレーニングは2〜3週間で「パドリング中に体がブレにくくなった」と感じる方が多いです。サーフスケートは1ヶ月程度で「海でのターンの入り方が変わった」という声をよく聞きます。ただし個人差が大きいため、最低1ヶ月は継続してから判断してください。
Q. 器具なしでもできる?
この記事で紹介したメニューの大半は自重のみでできます。トレーニングチューブ(1,000〜2,000円程度)があるとパドリング強化の幅が広がりますが、なくても十分に効果はあります。陸トレグッズの詳細は「サーフィン陸トレグッズおすすめ11選」をご覧ください。
Q. バランスボードは効果がある?
体幹と下半身の安定性向上に効果があります。私はCOFOバランスボードをスタンディングデスクと組み合わせて3ヶ月使いましたが、仕事中の「ながらトレーニング」として手軽に続けられるのが最大のメリットです。詳しくは「COFOバランスボードを3ヶ月使った正直な感想」をご覧ください。
Q. コレクティブサーフィンフィットネスとは?
オーストラリアNo.1サーフコーチのクレイトン氏と共同開発された科学的なサーフトレーニングメソッドです。筋肉を鍛えるのではなく「サーフィンの基本動作(屈伸・傾ける・ひねる)」を正しく覚えることに重点を置いています。私はアンバサダーとして5年以上継続しており、参加後に肩と肘の痛みが消えました。詳しい体験談は「コレクティブサーフィンフィットネス 5年以上続けた感想」をご覧ください。
Q. 40代から陸トレを始めても遅くない?
全く遅くありません。むしろ40代こそ陸トレが必要です。20代は体の回復力でカバーできますが、40代以降は意識的に体をメンテナンスしないと怪我のリスクが高まります。私自身、40歳を過ぎてから陸トレを本格化させて、パドリングの持久力もターンの安定感も向上しました。
Q. 筋トレとサーフスケート、どちらを優先すべき?
どちらか一つなら、まずは体幹トレーニング(プランク・サイドプランク)から始めることをおすすめします。体幹が安定していないと、サーフスケートの練習効果も半減するためです。体幹トレが習慣になったら、サーフスケートを追加するのが理想的な順序です。
まとめ:まずは週2回・15分から始めよう
サーフィンの陸トレは、パドリング・テイクオフ・ライディングの3動作を「筋トレ」「サーフスケート」「動作トレーニング」の3軸で鍛えることで最大の効果を発揮します。
最初から完璧なスケジュールを組む必要はありません。まずは体幹トレーニング15分を週2回から始めてください。それだけでも、次の海で「あれ、なんか安定する」と感じるはずです。
40代になって体力の衰えを感じている方こそ、正しい陸トレが力になります。サーフィンと仕事・家族を両立させるための時間術は「40代フルリモサーファーが週末サーフィンを10年続けられる本当の理由」でもまとめています。海で楽しむ時間を最大化するために、陸上での準備を始めましょう。
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