サーフィン ボトムターンの徹底解説!オーストラリアの最新メソッド

5 min
surfing
ヒガシーサー

ヒガシーサー

ブロガー/クリエイター

サーフィン歴20年の中級者。間違った上達方法で苦しんだ経験から、科学的メソッドで効率的に上達する方法を発信。初心者から中級者までのサーファーが安全で楽しいサーフィンライフを送るための情報を提供。インスタフォロワー3.5万人、YouTube登録者1.7万人。サーフボードブランドの会社員。

FOLLOW

本記事はサーフィンのボトムターンについて徹底解説している記事となります。

内容はオーストラリア発の最新サーフメソッドを学べる「Corrective Surf’n’ Fitness」でコーチに実践指導してもらった内容をまとめています。

以前、コーチに「ボトムターンで加速はしない。重力で上から下に降りる時に加速する」という当たり前の物理運動の法則を教えてもらいました。

日本のサーフィンハウツーでは「ボトムターンでドライブする」とよく言われますが、考えてみたらバイク、自転車、車、人が走る時などターンする時って加速しないですよね。

回転半径が小さくなることで加速感を感じることはできますが、加速はしません。

スピードを追い求めるサーフィン、スキル偏重、経験則のサーフィン情報に偏っていると、こうした間違った理論でサーフィンを理解しようとしてしまいます。

本記事では「オーストラリア発のメソッドでもっとシンプルにボトムターンを理解しよう」という目的で中級者サーファーに向けてまとめています。

「プロが教える上達方法」の問題点は中級者、初心者の悩みを正しく見れてない

YouTubeやインターネットの情報に溢れている「プロが教える上達方法」は、最初から上手いヒトたちのポジショントークを展開するためのキャッチコピーです。

「俺たちはこうして上達してきたから、こうやると上手くいくよ。」

「プロの権威性」を上手に使って説得しようとしているだけなんですね。

ちなみにサーフィンのプロ資格は日本ぐらいしかありません。海外ではサーフィンを教るに当たってインストラクターの資格の方が重視されます。

プロが教える上達方法は、日本のサーフィン競技プロを目指したいサーファーにとっては有益ですが、私たち中級者、初心者の悩みとかけ離れていることがほとんどです。

プロが教える系を信じて、体を壊してしまった筆者の経験もあるので、プロだから正しいと過信してしまうのは注意してくださいね。

ボトムターン 中級者の悩みは「不安」

物事を正しく見る→正しく考える。これを「正見」と言います。

まず中級者のボトムターンの悩みは「これで合っているのかな?」という不安を抱えていることがほとんどです。

ボトムターンで加速するってプロは言うけど、失速しかしないんだけど・・・。

何か違うと思うけど、何が違うのかが分からない。

こうした「ボトムターンが間違ってることの不安」を常に抱えています。

ボトムターンのやり方ではなくて、この考えで合っているのかな?という不安を解消しないといけないわけです。

ハウツー本やYoutubeでは「ボトムターンで加速する」風な論調がありますが、実はボトムターンで加速するのは物理的に不可能ということを教えてもらいました。

間違った理解でサーフィンを続けていると、体を壊したり、サーフィンに自信が持てなくなったり、やっぱりサーフィンって難しいなって信じてしまいます。

そうすると苦手意識が生まれてしまって、サーフィンを楽しむことができなくなります。

オーストラリア発のメソッドは正しく、分かりやすい理論でサーフィンを教えてくれます。その方法を紹介しますね。

ボトムターンのマインドセット

よくあるボトムターンの解説は「波のトップからボトムに降りて、体勢を低くして前足荷重を行い、波側のレールを波に食い込ませて、体重移動をスムーズに後ろ足に加重させてターンしていく」みたいな感じですよね。

これで理解出来るヒトは、CT選手になっていると思います。でも日本出身のサーファーは誰1人CT選手になっていません。(五十嵐カノア選手はアメリカ育ち)

それってそもそもサーフィンの教育水準が低いということに他なりません。

なので最初に実践したのは「ボトムターンを成功させる」という間違ったマインドセットを変えることでした。

ボトムターンを勘違いする旧式マインドセット

  • 自分の体とサーフボードで波の上から下に降り切る
  • 前足荷重で降りて、後ろ足荷重で上がる
  • 膝を曲げる
  • 後ろの手で水面を触る
  • 加速したいから蹴り込む

こんな感じでした。これがいわゆる「プロが教える系」でハウツー本にも書かれている内容です。

何となく合ってそうな感じに聞こえますが、フワッとした理解しかできません。

こうした経験則の問題点は「なぜ?」が解説されていないところです。

結果的にそうなってるけど、なぜそうなってるかは分からない。だけど俺たちの言う通りにやれば上手くいくよ。なぜかは知らんけど。

という感じですね。で、オーストラリアのサーフィンメソッドはこんな感じです。

ボトムターンを正しく理解できるマインドセット

  1. 波を理解しましょう
  2. 正しいストレッチを行いましょう
  3. ニュートラルポジションを確保しましょう
  4. 波を見ましょう
  5. カラダの使い方を覚えましょう

みたいな感じです。まず最初に「波」について学びます。そこでパワーゾーン、波の性質を正しく理解した上で、その次にカラダの使い方を学びます。

上記の項目はボトムターンについて「Corrective Surf’n’ Fitness」で学んでいることです。

日本のハウツー本との違いは、「波の理解を深めよう」という視点から始まるところです。

日本のハウツー本の解説の多くは「ボトムターンをテクニック」として捉えていますが、オーストラリアのメソッドは「パワーゾーンを往来するための手段」という感じです。

ボトムターンは波のパワーゾーンに戻って、パワーを受け取って、トップに上がって、またパワーゾーンに戻るという点と点と移動するための手段。

「波のパワーゾーンからパワーをもらうこと」が目的です。フローを使うとも言いますね。

それを知らずにボトムターンって言っても、そもそも波のパワーを使い切れてないですよ。みたいなことをガツンと教えてもらえます。

なので波の一番パワーのあるところに戻って、上に行きたいならそこから上を見る。またパワーをもらいたいなら、波のボトムのパワーゾーンを見る。

それだけでボトムターンは成功するってことを教えてもらいました。

要は「テイクオフから波のパワーのある場所に戻って、トップを見て、ボトムを見て戻る」の繰り返しです。

前足加重とか後ろ足荷重とかは、体を正しく使えば勝手に反応してくれます。

上級者やプロはこの辺りを「なんとなく感覚で分かってる」から、中級者の悩みを「可視化」できないんですよね。

何となく理論っぽい、70%前足荷重からレールを切り返す時に70%後ろ足に体重をスムーズに移動していく・・・みたいな難しい話をしちゃうんです。

波のパワーゾーンを正しく理解しよう

波の最もパワーがあるポイントはどこでしょう?

ここです。

ここの部分に降りて、ここからターンするのがボトムターンです。

筆者はよく波の中腹部や、パワーがない場所でターンを開始していました。

後ろ足荷重や前足荷重を意識したり、膝を曲げたり、とにかく低重心で水面を触る。そんなことばっかりしていました。(笑)

正しいストレッチでカラダのスイッチをオンにしておく

  • カラダをオフにするストレッチ
  • カラダをオンにするストレッチ

ストレッチには「カラダをオフにするストレッチ」「オンにするストレッチ」の2種類があります。

まだ海には入っていません。(笑)

波のことを学んだ後は、カラダのことを学びます。

筆者も19年間そうでしたが、サーフィン前のストレッチは必ず「静的ストレッチ」を行ってきました。

このストレッチはカラダのスイッチをオフにするため、力が入らなくなります。運動後には効果的ですが、運動前にやるべきことではありません。

運動前に静的ストレッチを行うと脳のイメージとカラダの動きが一致しなくなり、本当はこれだけ動けるのに、カラダはスイッチがオフの状態だから動かない!ということになり怪我やパフォーマンス低下に繋がります。

なのでカラダのスイッチをオンにするストレッチをサーフィン前に行います。やり方はコチラの動画を参照にしてください。

タケル体操の動画

ニュートラルポジションでサーフィンをする

波のパワーを使う方法は「前足荷重」や「後ろ足荷重」ではありません。とにかくリラックスすることが大事。

リラックスと言うとフワッとしちゃうので解説しますね。

常に動いている波の上で、ヒトの体を動かすのは簡単ではありません。なので転ばないように、上手に動こうとすると体が緊張してしまいます。

体を動かせる状態にするためには「ニュートラルポジション」という前後上下左右に動ける状態でテイクオフをする必要があります。

ニュートラルポジションが確保できると、体もリラックスできて、体が動くのでメンタル的にも安心感があります。

まずはこのニュートラルポジションを確保し、リラックスして波のパワーをもらえるようにしましょう。

そして「前足荷重、後ろ足荷重、レールの切り返し」みたいな旧式のマインドセットを捨てましょう。

波のパワーゾーンを見る、戻るだけを意識するだけでいいんです。

ほんとにただ、それだけです。ボトムターンしようとか加速しようとか思わずに、まず波のパワーゾーンに行ったり来たりをできるようにするだけです。

それで「波のパワーってこうなってるんだな」ということが理解できると思うので、ぜひぜひ実践していきましょう。

波のトップを見る

  1. 波のトップを見る
  2. ボトムターンの姿勢を作る

日本のハウツー本ではボトムターンの姿勢を作ることは解説されていますが、「波のトップを見る」ことは書かれていないことがほとんどです。もしくはそこまで重視されてない。

コレクティブサーフィンフィットネスでは、サーフィンの目線や視点がとても大事と何度も教えてくれます。

例えば、よくあるボトムターンの解説を実践すると、ボトムターンの姿勢を作らないといけないので前足荷重から後ろ足荷重に体重移動しながら、水面を触るようにして、重心を低くする。のような一連の動きになります。

その時、視点は一度も波を見ていません。自分の体に意識が集中しているので、きっと下を向いています。筆者がそうでした。

ヒトは視点が向いている方向に進むことが得意です。なので下ばかりを向いていると、下にしか進みません。

ボトムターンを開始する前に、まず上がりたい場所。自分が向いたい場所を見るようにしましょう。

ボトムターンの姿勢を作る

  1. 波を理解する
  2. 正しいストレッチをする
  3. ニュートラルポジションを確保する
  4. 波を見る
  5. ボトムターンの姿勢を作る

ここでようやく「ボトムターンの姿勢」に繋がります。ポイントは以下の通りです。

  • 波を見る
  • ニュートラルポジション
  • 骨盤を前に出す
  • 後ろの手の肘を、前足の膝に付ける
  • 手の親指の向きで重心をコントロールする

この部分については動画で詳しく解説しているので、動画も合わせてご覧ください。

ボトムターンのまとめ

オーストラリア発のサーフィンメソッドで実践しているボトムターンは以上です。大きなポイントは次の三つです。

  1. 波を理解する
  2. カラダを見れる動ける状態にしておく
  3. ボトムターンの姿勢を作る

この3つを意識してボトムターンに取り組めば、あなたのサーフィンが劇的に「楽しく」なります。

中級者だけが抱える不安も、理論を学べば大丈夫です。あとは練習するだけで不安な部分が解消されて実力に変わっていきます。

では引き続き「大人のサーフィン」を楽しんでいきましょう。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*