こんにちは、20年以上のサーフィン経験を持つヒガシーサーです。Beach Accessとnanazeroのテストライダー・開発参加者として、今回は「HS 6’0″ ツイン」を徹底レビューします。沖縄県伊計島、アウターリーフのポイントなど、様々な波質でテストを重ねてきた実体験から、その性能と特徴を詳しく解説します。

このレビューでは以下の疑問にお答えします:
- このモデルはどんなサーファーに適しているのか
- パフォーマンスの特徴と乗り味の実際
- 他のHSシリーズモデルと比較した際の違い
- 実際の使用における注意点

AI先生
このモデルはハードボードに最も近い操作感を持つ。レールが薄く設計されており、中上級者向けのツインフィン構成が特徴だ。小回りが効き、スピード感のあるサーフィンが楽しめる。
シリーズ | HSシリーズ |
サイズ | 6’0″ x 20 1/2″ x 2 7/16″ |
ボリューム | 33L |
重量 | 約4.0kg |
テール形状 | ウィング付きラウンドピン |
ボトム形状 | シングルコンケーブ〜ダブルコンケーブ〜vee |
フィン | ツインフィン(Futures) |
価格 | ¥66,800 |
カラー | Gray |
構造 | 1本バンブーストリンガー |
目次
メリットとデメリット
実際に沖縄県の様々な波で数ヶ月間テストした結果、このHS 6’0″ ツインの明確なメリットとデメリットが見えてきました。レールが薄いため、ショートボードのような切れのあるターンが可能ですが、その分、初心者には扱いにくい側面もあります。
- レスポンスの高いターン性能(薄いレールが鋭いカットを実現)
- 中波でも安定したコントロール感
- ツインフィンの解放感とスピード感
- ウィング付きラウンドピンテールによる安定したホールド力
- ハードボードに近い操作感と軽量性
- 小波での加速はHS 5’10” フィッシュに劣る
- 中〜上級者向けの操作性で初心者には扱いにくい
- 体重65kg以上のサーファーには浮力不足の可能性
- 波がパワフルな時にフィンのホールド感が若干不足
- 33Lの浮力は中級者以上でないと安定感に欠ける
デザインと構造
HS 6’0″ ツインは、フィッシュよりも洗練されたアウトラインを持ち、ウィング付きのラウンドピンテールが特徴的なモデルです。ボリュームを維持しながらもテールを絞った設計により、ターン性能と直線的なスピードのバランスが取れています。
シェイプとアウトライン
このモデルの最大の特徴は、スタンダードなショートボードに近いアウトラインでありながら、ツインフィンセットアップというユニークな組み合わせです。ノーズからミッドポイントまではやや幅広で浮力を確保し、テール部分はウィングと絞りを効かせて反応性を高めています。
特に注目すべきは、HSシリーズの他モデルと比較して明らかに「薄いレール」設計です。これにより、ハードボードに近い切れのあるターンが可能になっていますが、同時に初心者や中級者前半のサーファーには扱いが難しくなっています。
ボトム形状
ボトム形状は、ノーズからテールにかけて複雑に変化します:
- ノーズ部分:シングルコンケーブ(パドリングの安定性と波のキャッチを向上)
- センター部分:ダブルコンケーブ(スピードとコントロール性能のバランスを実現)
- テール部分:Vee形状(テール部分の操作性と解放性を高める)
このボトム形状の組み合わせにより、直進安定性とターンの切れ味を両立できる設計となっています。沖縄の伊計島やアウターリーフなどのパワーのある波でも、ホールド力と反応性のバランスが良く、素早いターンが可能です。

高品質素材と構造
HSシリーズの全モデルに共通する高品質の素材と構造を採用しています:
- 高密度防水EPSフォームコア(軽量性と反発力)
- 1本のバンブーストリンガー(強度と適度なフレックス)
- エポキシレジンと6oz + 6ozのダブルファイバーグラス構造(耐久性と最適な剛性)
- 4mm IXPE/EVAソフトトップ(ワックスフリーで快適なデッキ)
- 高光沢HDPEボトム(スピードとスムーズな滑走性)
- Futuresフィンボックス(カスタマイズ可能なフィンシステム)
特筆すべきは、同サイズの一般的なソフトボードと比較して約0.5〜1kg軽量な点です。この軽量性がマニューバビリティと反応性を大きく向上させています。

アキ
33Lって少ない気がするっす。初心者でも乗れるっすか?あと、ツインフィンってどんな特徴があるんすか?

AI先生
初心者には不向きだ。33Lは体重60kg前後の中級者以上向けの浮力だ。テールが絞られ、レールが薄い設計は、安定したボトムターンとカットバックができるサーファー向けだ。ツインフィンは、センターフィンがない分、自由度の高いピボットターンとスピード感が特徴だ。しかし初心者には方向安定性が低く難しい。まずはStandardシリーズの40L以上のモデルから始めるべきだ。
実際の使用感と性能評価
沖縄県伊計島やアウターリーフなど、様々な波質で数ヶ月間テストした実際の使用感と性能評価を詳しく解説します。
テスト条件
以下の条件でHS 6’0″ ツインをテストしました:
- 波のサイズ:スネ〜オーバーヘッド
- 主なテスト場所:沖縄県伊計島のリーフブレイク、アウターリーフ、その他沖縄本島ポイント
- 波質:パワーのある速い波、小さくてソフトな波の両方
- テスト期間:約3ヶ月(2024年12月〜2025年2月)
- テスターの体重:62kg
パドリングと波のキャッチ
33Lという比較的少ないボリュームのため、パドリングと波のキャッチは平均的です。体重60kg前後の私にとっては十分な浮力でしたが、体重が70kgを超えるサーファーには浮力不足を感じる可能性があります。
特に沖縄の小波コンディションでは、HS 5’10” フィッシュと比較すると、若干波のキャッチに労力が必要でした。これは、フィッシュのワイドなアウトラインと比較して、このモデルがよりショートボードに近いアウトラインを持つためです。
しかし、一度波に乗ってしまえば、その性能は素晴らしいものがあります。
操作性とターン性能
このモデルの真価は操作性とターン性能にあります。特に薄いレール設計により、ハードボードに近い鋭いターンが可能で、伊計島のリーフブレイクのような速くパワーのある波でも、しっかりとしたホールド感でカービングできました。
ツインフィンセットアップは、特に以下の特性をもたらします:
- 高い解放感とスピード(センターフィンがない分、抵抗が少ない)
- ピボットのように素早く回転できるターン性能
- スムーズなレールからレールへの移行
- 波のポケットでの高いスピードコントロール性能
特に中サイズ(胸〜肩)の波で最高の性能を発揮し、スピードのあるボトムターンからカットバックへのフローが非常に心地よく、レールワークを楽しむサーファーに強くおすすめします。

波質別パフォーマンス
波のサイズと質によるパフォーマンスの違いを、5段階で評価しました:
波のサイズ・質 | 評価(5点満点) | コメント |
---|---|---|
小波(スネ〜ヒザ) | 3/5 | 浮力不足でパドルが少し大変、ツインフィンのスピードが救い |
中波(腰〜胸) | 5/5 | 最高のパフォーマンス、スピードとターンのバランスが完璧 |
大波(肩〜オーバーヘッド) | 4/5 | 安定したホールド、ただしピークでのパワーが必要 |
速いリーフブレイク | 5/5 | 薄いレールの恩恵大、切れのあるターンが可能 |
スローなビーチブレイク | 3/5 | パワー不足の波では加速に少し苦労 |
このモデルの最適な波のコンディションは、ヒザから肩サイズの波で、特に胸〜肩サイズのクリーンな波で最高のパフォーマンスを発揮します。
HSシリーズ他モデルとの比較
ビーチアクセス HSシリーズの他モデルとの比較を通じて、HS 6’0″ ツインの位置づけをより明確にします。
比較項目 | HS 6’0″ ツイン | HS 5’10” フィッシュ | HS 6’2″ エッグ |
---|---|---|---|
適したサーファーレベル | 中〜上級者 | 中〜上級者 | 中級者 |
波のキャッチのしやすさ | 3/5 | 4/5 | 4.5/5 |
小波での性能 | 3/5 | 4.5/5 | 4/5 |
中波での性能 | 5/5 | 4/5 | 4.5/5 |
大波での性能 | 4/5 | 3/5 | 3.5/5 |
ターンの切れ味 | 5/5 | 4/5 | 3.5/5 |
安定性 | 3/5 | 3/5 | 4.5/5 |
適した体重 | 55-65kg | 50-65kg | 60-75kg |
比較からわかるように、HS 6’0″ ツインは:
- HS 5’10” フィッシュよりも中〜大波での性能に優れる
- HS 6’2″ エッグよりもターンの切れ味と操作性が高い
- 最もハードボードに近い操作感を持つモデル
- 三つのモデルの中で最もレールが薄く、切れのあるターンが可能
特にショートボードに慣れていて、ソフトボードでもハードボードに近い操作感を求めるサーファーには、このモデルが最適です。一方で、より安定感を求める中級者にはHS 6’2″ エッグ、小波性能を重視するならHS 5’10” フィッシュをおすすめします。
適したサーファーと波のコンディション
テスト結果から、HS 6’0″ ツインに最適なサーファーと波のコンディションが明確になりました。
理想的なサーファープロファイル
このモデルは、以下のようなサーファーに特におすすめです:
- レベル:中級〜上級者(ボトムターンやカットバックが安定している)
- 体重:55〜65kg(最適)、50〜70kg(許容範囲)
- サーフスタイル:アグレッシブなレールワーク、スピーディーなライディング
- バックグラウンド:ハードボード経験者、ショートボードに慣れている
- 好み:切れのあるターン、自由度の高いマニューバー
最適な波のコンディション
以下のような波のコンディションで最高のパフォーマンスを発揮します:
- 波のサイズ:ヒザ〜オーバーヘッド(特に胸〜肩サイズが最適)
- 波の質:クリーンでフェイスのある波、リーフブレイクやポイントブレイク
- ブレイクの種類:沖縄の伊計島のようなリーフブレイク、壁のある波
- 不向きな条件:パワー不足の小波、非常に速く崩れる波
沖縄の伊計島やアウターリーフなどのパワーのある波で、このモデルの薄いレールの恩恵を最大限に感じることができました。特に壁のある波でのボトムターンからのカットバックの組み合わせが非常に心地よく決まります。

アキ
このモデルが上級者向けなら、初心者の僕には別のモデルがいいんですかね?あと、フィンは変えた方がいいんですか?

AI先生
初心者ならStandardシリーズの7’0″か、7’2″がベストだ。最低でも45L以上の浮力が必要だ。HSシリーズならHS 6’10” クアッドフィッシュのように浮力のあるモデルを選ぶべきだ。フィンは標準でも十分だが、上達したら波質に合わせて変えるとよい。ピボットターンを重視するならフレックスのあるフィン、ドライブ感を重視するなら硬めのフィンを選ぶといい。
取り扱いとメンテナンス
HS 6’0″ ツインを長く良い状態で使用するためには、適切な取り扱いとメンテナンスが重要です。特にこのモデルの設計と特性に合わせたケアのポイントを紹介します。
日常のケア
- 使用後の洗浄:真水でしっかりと洗い、特にFuturesフィンボックス周辺の塩分を除去
- 乾燥:直射日光を避け、風通しの良い日陰で乾燥(薄いレールは熱に弱い)
- フィンの取り外し:長期保管時はフィンを取り外し、フィンボックスを清潔に
- ワックスフリー面のメンテ:湿らせた布で定期的に汚れを拭き取り、粘着性を維持
- レールの保護:薄いレールは損傷しやすいため、輸送時は特に注意が必要
保管方法
薄いレール設計のこのモデルは、特に保管方法に注意が必要です:
- 保管場所:直射日光が当たらない、涼しく乾燥した場所(高温で変形しやすい)
- 保管姿勢:横置きが理想的。壁立て掛けは長期間しない
- ボードカバー:使用しない時はボードカバーで保護し、埃や傷から守る
- 温度管理:車内など高温環境での保管は絶対に避ける(EPSコアが変形する)
- 重ねない:他のボードと重ねて保管しない(レールが変形する恐れ)
よくある質問(FAQ)
Q
HS 6’0″ ツインは初心者でも乗れますか?
A
残念ながら、HS 6’0″ ツインは初心者には向いていません。33Lという少ない浮力と薄いレール設計は、中級〜上級者のサーファー向けに設計されています。テイクオフが安定し、ボトムターンやカットバックができるレベルのサーファーに適しています。初心者の方には、Standardシリーズの7’0″や7’2″、もしくはHS 6’10” クアッドフィッシュなどの浮力が多いモデルをおすすめします。
Q
体重70kgでもHS 6’0″ ツインに乗れますか?
A
体重70kgのサーファーにとっては、33Lのボリュームは浮力不足を感じる可能性が高いです。特に小波やパドリングで苦労する場合があります。中上級者で非常に技術が高く、少ない浮力でも操れる方であれば可能かもしれませんが、一般的にはHS 6’2″ エッグ(40L)やHS 6’10” クアッドフィッシュ(45L)など、より浮力のあるモデルをおすすめします。体重に対して理想的なボリュームは、レベルにもよりますが、体重の約60%程度が目安です。
Q
ツインフィンの特性と、どのようなフィンが適していますか?
A
ツインフィンセットアップは、センターフィンがない分、自由度の高いピボットターンとスピード感が特徴です。標準で付属するフィンでも十分なパフォーマンスを発揮しますが、より高いパフォーマンスを求める場合は以下のようなフィンがおすすめです:
- 小〜中波:やや大きめで柔らかいフレックスのフィン(ドライブ力とスピード向上)
- 中〜大波:小さめで硬めのフィン(コントロール性とホールド力向上)
- アグレッシブなターン重視:非対称フィン(インサイドとアウトサイド用)
- フローサーフィン重視:対称的なピボットフィン
フィンの選択は個人のサーフスタイルや波質によっても変わるため、いくつか試してみるのが良いでしょう。詳しくはフィンの選び方ガイドを参考にしてください。
Q
HS 6’0″ ツインとHS 5’10” フィッシュはどちらを選ぶべきですか?
A
この2つのモデルの選択は、主に以下のポイントで判断するとよいでしょう:
- HS 5’10” フィッシュを選ぶべき場合:小波が多い場所、スピード重視、フィッシュボードの特性(加速と解放感)を好む方
- HS 6’0″ ツインを選ぶべき場合:中〜大波が多い場所、ターンの切れ味を重視、よりショートボードに近い操作感を求める方
両方のモデルともに中〜上級者向けですが、6’0″ ツインの方がより精密なレールワークができ、5’10” フィッシュの方が小波での加速に優れています。ひとつのアドバイスとしては、あなたが普段入るポイントの波質に合わせて選ぶとよいでしょう。沖縄の伊計島のようなパワーのある波なら6’0″ ツイン、パワーが弱めの波が多い場所なら5’10” フィッシュがおすすめです。
まとめ:HS 6’0″ ツインは中上級者向けの高性能モデル
沖縄県伊計島やアウターリーフなどでのテスト経験から、ビーチアクセスHS 6’0″ ツインの特徴と価値を以下のようにまとめます。
- 対象レベル:明確に中〜上級者向け。ボトムターンとカットバックが安定している必要あり
- 最大の強み:薄いレールによるハードボードに近い切れのあるターン性能
- 最適な波質:胸〜肩サイズの中波、特にパワーのあるリーフブレイク
- 理想的な体重:55〜65kg(最適)、70kg以上は浮力不足の可能性
- 総合評価:ハードボードに近い操作感を求める中上級者に最適な高性能モデル
HS 6’0″ ツインは、ビーチアクセスHSシリーズの中でも特にパフォーマンス志向の強いモデルです。薄いレール設計とツインフィンセットアップにより、ハードボードに最も近い操作感を実現しています。
このモデルの真価は、伊計島のようなパワーのあるリーフブレイクでの切れのあるターンとスピード感のあるサーフィンにあります。特に中級者以上のサーファーで、よりハードボードに近い操作性を求める方には強くおすすめします。
ただし、初心者や浮力重視のサーファーには向かないモデルであり、そうしたユーザーにはHS 6’2″ エッグやHS 6’10” クアッドフィッシュなど、より浮力の多いモデルをおすすめします。
ビーチアクセスHS 6’0″ ツインは、中上級者のためのパフォーマンスソフトボードとして、その位置づけを明確に確立しています。ハードボードの性能とソフトボードの安全性を高次元で融合したモデルとして、そのレベルのサーファーにとっては大きな価値を提供します。
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HSシリーズの詳細情報や他モデルの詳しいレビューについては、ビーチアクセス HSシリーズの紹介ページや、ビーチアクセス ソフトボード 完全ガイドをご覧ください。
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