このページはサーフスケート完全ガイドの一部です。サーフィンの上達に直結するサーフスケートの選び方について、特に人気の3ブランド「Carver」「YOW」「nanazero」に焦点を当てて徹底比較します。ブランドごとの特徴や乗り味の違い、価格、そして初心者から上級者まで各レベルに最適なモデルを解説します。

メイ
サーフスケートって色々なブランドがあって迷っちゃう!Carverとか、YOWとか、nanazeroとか…。どれを選べば良いんだろう?サーフィン上達に繋がるのはどれなんだろう?
それぞれのブランドには特徴があり、「最高」のサーフスケートは存在しません。大切なのは、あなたのサーフィンレベルや目的に合ったものを選ぶこと。実は私はnanazeroのサーフスケート開発に関わった経験もあり、各ブランドの良さを知っています。今回はこの3ブランドの違いを徹底解説しますね。

ヒガ
目次
1. サーフスケートとは?陸上トレーニングの新定番

サーフスケートは、サーフィンの動きを陸上で再現できるように特別に設計されたスケートボードです。通常のスケートボードと最も異なる点は、フロントトラック(前輪の取り付け部分)の特殊な構造です。これによって、サーフィンのようなカービングターンや、パンピング(体の動きだけで推進力を生み出す動作)が可能になります。
近年、多くのサーファーがオフシーズンや波のない日の練習ツールとしてサーフスケートを取り入れています。実際に、以下のようなサーフィンスキルの向上に直接効果があることが確認されています:
- バランス感覚の向上:不安定なボード上での安定性を養います
- 体幹の強化:ターンやパンピングで必要なコア筋力が鍛えられます
- 正しい体重移動:サーフィンのターン時の荷重・抜重の感覚を習得できます
- ボトムターンやカットバック:基本的なサーフィンマニューバーを陸上で何度も反復練習できます
- 上半身と下半身の連動:サーフィンに必要な体全体の連動した動きが身につきます
サーフスケートには様々なブランドがありますが、本記事では特に人気の3ブランド「Carver」「YOW」「nanazero」に焦点を当てて比較していきます。それぞれのブランドはトラックシステムの設計思想や乗り味が異なり、サーファーのレベルや練習目的によって最適なものが変わってきます。
2. サーフスケートの心臓部:トラックシステムの違い

サーフスケートの乗り味や性能を決める最も重要な要素は「トラックシステム」です。特にフロントトラック(前輪の取り付け部分)の構造によって、カービングの深さ、ターンの鋭さ、安定性などが大きく異なります。まずは基本的なトラックタイプを理解しておきましょう。
- RKPインスパイア系(例:Carver CX)
標準的なRKP(リバースキングピン)トラックをベースに改良したタイプ。安定性とパワフルなカービングが特徴。 - ピボットアーム系(例:Carver C7)
スプリング内蔵の回転アーム機構を採用。滑らかでルーズな動きとフロー感が得られる。 - トーション&スプリングシステム(例:YOW Meraki、Smoothstar Thruster)
内部のスプリングや特殊なピボット機構による高い反応性とタイトなターンが可能。
これらのトラックシステムの違いを理解することは、サーフスケート選びの大きな助けになります。次に、各ブランドの特徴を詳しく見ていきましょう。
3. Carver Skateboards:サーフスケートのパイオニア

Carver(カーバー)は、1996年にカリフォルニア・ヴェニスで誕生した、まさにサーフスケートのパイオニアブランドです。「波がない時でも、海に行けない時でも、いつでもサーフィンをしたい」という創設者の情熱から生まれました。
Carverの主なトラックシステム:C7 vs CX

Carverには、特徴的な2種類のトラックシステムがあります。それぞれに異なる乗り味と特性を持っているので、目的に応じて選ぶことが重要です。
構造:内部にスプリング(バネ)、プレート、ボルトなどを組み込んだ複雑な構造で、トラック自体が大きくスイング(左右に振れる)する設計。
乗り味:「クネクネ感マックス」と形容されるほど、軽い体重移動で簡単にターンできる。止まった状態からでもパンピングで動き出せるほど動かしやすい。
特徴:内蔵バネの反発力でスピードを得るため、平地でも加速しやすい。プッシュ(地面を蹴る)をあまりしなくても練習を続けられる。
向いている人:サーフスケート初心者、サーフィン初級者(テイクオフが不安定なレベル)、フロー感を重視する人
構造:標準的なRKP(リバースキングピン)トラックをベースに、キングピン角度やブッシュシートなどを最適化した比較的シンプルな構造。
乗り味:C7よりも安定感があり、バランスを取りやすい。しっかりと重心を乗せ、意識的な体重移動が必要。
特徴:斜面での安定性に優れ、パワフルなターンが可能。スケートパークのプール、ボウル、ランプなどでの使用にも適している。
向いている人:サーフィン中級者以上(基本的なアップスができるレベル)、より本格的なサーフィントレーニングを求める人、多様な地形で滑りたい人

メイ
初心者だからといって必ずC7を選んだ方がいいの?でも将来的にはCXの方がサーフィンの上達に役立つように思えるけど。。。
よい質問ですね。確かに「C7=初心者向け、CX=上級者向け」と簡単に言われがちですが、実はそう単純ではありません。C7は動かしやすく楽しさをすぐに感じられますが、簡単に動くゆえに正しい体の使い方を習得しにくい面も。一方CXは最初は難しいですが、必要な体重移動や体幹の使い方など、サーフィンに直結する技術が身につきやすいです。長期的な上達を考えるなら、少し頑張ってCXから始めるのも一つの選択肢です。

ヒガ
Carverの価格帯は、サーフスケートブランドの中でもプレミアムな位置づけにあり、一般的に4万円〜5万円台が主流です。長年の研究開発と高品質な素材・部品を使用しているため、耐久性と性能の両面で高い評価を受けています。
4. YOW Surf:究極のサーフィン再現性を求めて

YOW(Your Own Wave)は、スペイン発のサーフスケートブランドで、特にショートボードサーフィンのダイナミックな動きを陸上で再現することに重点を置いています。反応性と機動性の高さが特徴です。
YOW Merakiシステム:S4とS5の違い
YOWの心臓部とも言えるのが独自開発のフロントトラックシステム「Meraki」です。旧バージョンから進化し、よりシンプルで耐久性の高い一体型構造になりました。このシステムは2種類のスプリング硬度があります:
特性:柔らかいスプリングを使用しており、よりアクションを起こしやすいパフォーマンス志向のセッティング。
乗り味:低速域でも遊びやすく、クイックな動きに対応。非常に機敏でレスポンスが良い。
向いている人:体重が軽め(50kg未満)のライダー、トリッキーな操作性を重視する人、低速域での遊びを重視する人
特性:より硬めのスプリングを使用しており、パワフルなマニューバーラインを描くことが可能。
乗り味:高速域での安定性がS4より高く、スピードに乗ったカービングに適している。
向いている人:体重50kg以上のライダー、安定性を重視する人、スピード感のあるライディングを好む人
YOWの乗り味を一言で表すなら「極めてルースでレスポンシブ」です。わずかな体重移動でボードが鋭く反応し、最小限の力でパンピングによる加速が可能です。タイトなターンが可能で、サーフィンのアグレッシブなマニューバーやカットバックをリアルにシミュレートできます。
YOWの価格帯は中〜高価格帯に位置し、一般的には3万円台〜4万円台のモデルが多く見られます。Carverよりはやや手頃な価格帯の場合もあります。
YOWは非常に反応が良いため、サーフィン初心者が使用すると意図せず癖がついてしまう可能性があります。例えば、サーフィンで重要な「溜め」を作る動きよりも、ボードを小刻みに動かして加速する癖(踏み込みで加速する癖)がついてしまうことがあります。基礎が固まっていないサーファーは注意が必要です。
5. nanazero:日本発・コスパと安定性を両立した新星

nanazero(ナナゼロ)は、比較的新しい日本のサーフブランドです。高品質かつコストパフォーマンスに優れ、さらに環境にも配慮したサーフギアを提供することを目指しています。特にオンラインを中心としたメーカー直販モデルを採用することで、流通コストを削減し、高品質な製品を適正価格で提供している点が特徴です。
ブランド名の「nanazero」は、地球の70%(7割=nana)を占める海への敬意と環境保護への想いを込めて名付けられています。
nanazeroサーフスケートの特徴

- トラックシステム:Carver CXトラックに類似したRKP(リバースキングピン)タイプのトラックを採用
- 乗り味:Carver CXよりやや柔らかく、YOWよりは硬めで安定感がある中間的な特性
- デッキ:環境にやさしい竹(バンブー)とグラスファイバーを組み合わせた素材を使用
- ウィール:70mm x 51mm / 78Aのソフトウィールを標準装備し、スムーズな乗り心地を実現
- 価格:約2万円前後と、Carverや YOWと比較して大幅に低価格

メイ
nanazeroって、価格が安いけど本当に品質は大丈夫なの?CarverやYOWに比べて性能は劣るんじゃない?
この点は私もnanazeroの開発に関わった経験から自信を持ってお答えできます。確かに他社と比べるとリーズナブルですが、それは中間マージンのカットや直販モデルによるコスト削減が主な理由です。信頼性の高いCXタイプのトラックをベースにしているため、特に初心者〜中級者のサーフィントレーニングに必要な性能は十分確保されています。確かに極限のパフォーマンスや特殊な感覚を求める上級者には物足りないかもしれませんが、サーフィン基礎練習のためには非常にコスパの良い選択肢です。

ヒガ
nanazeroのサーフスケートは、設計段階から「安定性」が重視されており、サーフスケート初心者や、スケートボード自体が初めての人でも安心して乗りやすいように作られています。挙動が予測しやすくコントローラブルなため、サーフィンの基本的な動きを学び、バランス感覚を養い、自信をつけるのに非常に適しています。
6. 【徹底比較】3ブランドの性能・機能の違い
ここでは、Carver、YOW、nanazeroの特徴を直接比較し、その違いを一目で分かるようにまとめました。
特徴 | Carver (C7) | Carver (CX) | YOW (Meraki) | nanazero |
---|---|---|---|---|
トラックシステム | スプリング式スイング | RKPベース | スプリング式スイング | RKPベース |
乗り味 | フロー感/ルース | 安定/ドライブ感 | 非常にルース/高反応 | 安定/予測しやすい |
安定性 | 中程度 | 高い | 低い | 高い |
ターン性能 | 高い | 中〜高 | 非常に高い | 中程度 |
パンピングのしやすさ | 非常に容易 | 技術が必要 | 非常に容易 | 容易 |
パーク適性 | 可能 | 適している | 適している (キック付推奨) | 可能 |
主なトレーニング効果 | 基本的なフロー/ターン | パワーターン/レールワーク | アグレッシブな動き/機敏性 | 基礎ターン/バランス |
推奨スキルレベル | 初心者〜中級者 | 中級者〜上級者 | 上級者 | 初心者〜中級者 |
価格帯 | 高 (4〜5万円) | 高 (4〜5万円) | 中〜高 (3〜4万円) | 低 (2万円前後) |
メンテナンス性 | やや複雑 | シンプル | 複雑 | シンプル |
それぞれのブランドには明確な特徴があり、一概にどれが「最高」とは言えません。サーフィンのレベルや練習の目的によって、最適な選択肢は変わってきます。
- Carver: サーフスケートのパイオニアとして洗練された設計と高い品質。C7とCXという目的別のトラックで幅広いニーズに対応。一般的なプレミアムモデル。
- YOW: 最大限の機動性とショートボードの動きの忠実な再現を追求。上級者向けのダイナミックなライディングが可能だが、初心者には扱いにくい面も。
- nanazero: コストパフォーマンスと安定性を両立。初心者でも安心して始められ、基本的なサーフトレーニングに最適。環境に配慮した素材も特徴。
ライディングフィールの違い
各ブランドの乗り味は数値だけでは表現しきれない微妙なニュアンスがあります:
- Carver C7 vs. YOW: C7の滑らかでリズミカルなパンピングは、YOWのシャープでアグレッシブ、かつ即座に反応する感覚とは大きく異なります。C7はより「グライド感」があり、YOWはより「スナップ感」が強いと言えるでしょう。
- Carver CX vs. nanazero: どちらもRKPスタイルのトラックによる安定性とドライブ感が特徴ですが、Carver CXの方が長年の研究開発と高品質な部品により、より洗練されたパフォーマンスフィードバックを提供します。nanazeroはCXほど「パフォーマンスチューン」されていないものの、初心者〜中級者のトレーニングには十分な性能を備えています。
- YOW vs. 安定性重視モデル: YOWは最大限の機動性を優先し、その代償として安定性はある程度犠牲になっています。対照的に、Carver CXとnanazeroは、コントロールされたターンと学習のための安定したプラットフォームを提供することを重視しています。
次のセクションでは、サーフィンのレベルやトレーニングの目的に応じた最適なサーフスケートの選び方について詳しく解説します。
7. サーフィンレベル別:最適なサーフスケート選び
サーフスケートを選ぶ際、最も重要な要素の一つがサーフィンのスキルレベルです。あなたの現在のレベルに合わせて最適なモデルを選ぶことで、効果的なトレーニングと上達が期待できます。
全くの初心者(サーフィン・スケート未経験)
サーフィンとスケートボードの両方が初めての方は、まずは基本的なバランス感覚と楽しさを感じられるモデルを選ぶことが重要です。
- nanazero 31インチ/34インチ
安定性が高く、価格も手頃なため、気軽に始められます。基本的なバランスとターンの練習に最適です。 - Carver C7(31〜33インチモデル)
動き出しが簡単で、すぐに楽しさを感じられます。特に長めのモデルは初心者でも扱いやすいです。 - YOW(初心者向け長めのモデル)
YOWは一般的に上級者向けですが、Mailbu(38インチ)のような長めのモデルは比較的安定感があり、初心者でもチャレンジできます。
全くの初心者の場合、安定性の高いモデルから始めることで、基本的なバランス感覚やパンピングの動きを効率よく学ぶことができます。nanazeroはコストパフォーマンスに優れており、最初の一台として特におすすめです。
サーフィン初級者(テイクオフ練習中、横に滑れる程度)
テイクオフはできるが、まだ安定して波に乗れない、あるいは基本的なボトムターンなどを練習中のサーファーには、以下のモデルがおすすめです。
- nanazero 31インチ Bamboo Fish
安定した土台の上で基礎動作を反復練習できるモデル。コストパフォーマンスが高く、多少の失敗にも耐える耐久性を備えています。 - Carver C7(30〜31インチモデル)
基本的なフローや動きの流れを掴むのに適しています。特にパンピングの基本動作習得に効果的です。 - Carver CX(31〜32インチモデル)
最初から正しい体重移動と体の使い方を意識したい方向け。少し上達への道のりは険しいかもしれませんが、正しいフォームが身につきます。
初級者の段階では、選択肢が広がります。楽しさを重視するならC7、より本格的なサーフィントレーニングを求めるならCX、そしてコストパフォーマンスを重視するならnanazeroと、目的に応じて選ぶことができます。
サーフィン中級者(安定してターン可能、マニューバー練習中)
波に乗って安定してボトムターンが出来るレベルになってくると、より高度なマニューバーやテクニックの練習に適したモデルを選ぶことが重要になります。
- Carver CX(29〜30インチモデル)
レールワークやパワーターンの質を高める練習に最適です。安定性がありながらも、正確なターン技術を習得できます。 - YOW S5(30〜32インチモデル)
ショートボードのような機敏な動きを練習したい方に最適。S5の硬めスプリングなら、速いスピードでのターンも安定して行えます。 - nanazero 31インチ(上級向けモデル)
基本が身についた方が、より難しいテクニックを練習する際にも、安定した土台を提供します。

メイ
ボトムターンはできるようになったけど、カットバックがうまくいかないんだよね。サーフスケートで練習するならどのモデルがいいのかな?
カットバックはサーフィンの中でも重要なターン技術ですね。この場合、特に推奨したいのはCarver CXトラックのモデルです。CXは安定性があり、体重移動とレールワークの感覚を正確に学べます。カットバック練習ではボードのエッジ(レール)をしっかり使う感覚が重要なのですが、CXはその「レールを効かせる」感覚が特によく掴めます。YOWも良いですが、反応が敏感すぎて正確なフォームを習得しにくいことがあります。また、カットバック練習は広めのスペースでスピードをつけて行うと効果的です!

ヒガ
サーフィン上級者(マニューバーを自在にこなせる)
マニューバーを自在にこなせるレベルになると、よりハイパフォーマンスなサーフスケートで、さらなる技術向上やスタイル改善を目指すことができます。
- YOW S4(短めのモデル、27〜29インチ)
ハイパフォーマンスな動きやエアーの練習など、陸上での限界を追求したい上級者に最適です。小さなスペースでも練習可能です。 - Carver CX(28〜29インチショートモデル)
より洗練されたパワーカービングの練習や、パークライディングを楽しみたい方に最適です。 - Smoothstar(※本記事では詳細比較していませんが、プロサーファーも使用する高度なトレーニングツールとして人気)
より精密なサーフィンシミュレーションを求める上級者に。
上級者になると、トラックの特性やデッキサイズをより細かく選ぶことで、特定のマニューバーや動きの練習に特化したサーフスケートを選ぶことが可能です。また、複数のモデルを使い分けることで、より総合的なトレーニングが可能になります。
8. トレーニング目的別:最適なサーフスケート選び
サーフィンのどの部分を重点的に練習したいかによっても、最適なサーフスケートは異なります。ここでは、トレーニング目的別におすすめのモデルを紹介します。
基本的なバランス感覚とフローの習得
サーフィンの基本となるバランス感覚や、波に乗った時のフロー感覚を養いたい方におすすめです。
- Carver C7(30〜33インチ)
スムーズなフロー感とリズミカルなパンピングが特徴で、波に乗った感覚を体感しやすいです。 - nanazero(31〜34インチ)
安定した土台でバランス感覚を養うのに最適。価格が手頃なので、気軽に長時間練習できます。
ボトムターン・カットバックなどの基本的なターン練習
サーフィンの基本となるターン技術を向上させたい方におすすめです。
- Carver CX(30〜32インチ)
レールを効かせたパワフルなターンの練習に最適。正確な体重移動とエッジングの感覚を身につけられます。 - nanazero 31インチ
安定した土台で基本的なターン動作を反復練習できます。特にボトムターンの基礎習得に効果的です。
パンピング(アップス&ダウンズ)による加速練習
サーフィンでのスピード生成に不可欠なパンピング(アップス&ダウンズ)の感覚を磨きたい方におすすめです。
- Carver C7(任意のサイズ)
容易に始められる特性を持ち、パンピングの基本動作を習得しやすいです。 - YOW(30〜32インチ)
非常に反応が良く、パンピングの効果が即座に体感できますが、正しい技術が必要です。 - Carver CX(30〜31インチ)
より正確な体の使い方が必要で、サーフィンに近いパンピング技術が身につきます。
サーフスケートでのパンピング練習は、サーフィンでの波のパワーを活用するスキルに直結します。特にCarver C7は初心者でもパンピングの感覚を掴みやすいですが、Carver CXで練習することで、より正確なフォームが身につきます。YOWは非常に反応が良いため、効果を実感しやすいですが、誤った動きが身につかないよう注意が必要です。
アグレッシブなショートボードマニューバーの練習
より高度なサーフィンマニューバーを練習したい上級者におすすめです。
- YOW S4(27〜29インチ)
非常に反応性が高く、急激なターンやスナップなどの動きを再現できます。 - Carver CX(28〜29インチ)
スナップのある動きとパワフルなカービングを組み合わせたマニューバーの練習に適しています。
9. 予算別:コスパを考えたサーフスケート選び
サーフスケートは価格帯によって選択肢が変わります。ここでは予算別のおすすめモデルを紹介します。
予算重視(〜2万5千円程度)
限られた予算でサーフスケートを始めたい方におすすめのモデルです。
- nanazero 31インチ Bamboo Fish
約2万円のコストパフォーマンスに優れたモデル。品質を維持しながらも直販方式で価格を抑えています。 - WOODY PRESS(※本記事では詳細比較していませんが、手頃な価格帯の選択肢として)
2万円前後で購入可能なエントリーモデルとして人気があります。
ミドルレンジ(3万円〜4万円程度)
ある程度の予算をかけて、より本格的なサーフスケートを購入したい方におすすめです。
- YOW(標準モデル)
3万円台中心の価格帯で、高い反応性とアグレッシブな動きが特徴のモデル。多くのデザインから選べます。 - SLIDE(※本記事では詳細比較していませんが、ミドルレンジの選択肢として)
3万円程度で購入できる安定性のあるモデルが揃っています。
プレミアム(4万円以上)
こだわりの一台を求める方や、長く使える高品質なモデルを求める方におすすめです。
- Carver C7/CX(全モデル)
4万円台が中心の高品質モデル。長年の開発による完成度の高さが特徴です。 - Smoothstar(※本記事では詳細比較していませんが、プレミアム選択肢として)
4〜5万円台のプロサーファーも愛用する高性能モデル。
実際の購入では、公式サイトの他、楽天市場やAmazonなどでも入手可能です。なお、nanazeroの場合は公式サイトのクーポンコード(higashisa)を使用することで5%割引で購入できます。
10. サーフスケートの効果的な使い方とトレーニング方法
サーフスケートを購入したら、効果的な練習方法でサーフィンスキルの向上につなげましょう。ここでは代表的なトレーニングメニューを紹介します。
基本パンピングの練習方法
サーフスケートの基本となるパンピング動作は、サーフィンのアップス&ダウンズに直結する重要なスキルです。
- STEP
基本姿勢を作る
肩幅よりやや広めにスタンスを取り、膝を軽く曲げ、上半身はリラックスさせます。サーフィンと同じように前足のつま先は少し前を向け、後ろ足はやや横向きにします。
- STEP
両腕を使って回転を始める
両腕を使って上半身を回転させ、その動きに合わせて腰も回します。この時、上半身と下半身の連動を意識することが重要です。肩から始める回転運動がボードの動きにつながります。
- STEP
荷重と抜重のタイミングをつかむ
ターンの始まりで軽く膝を曲げて荷重し、ターンの途中で伸び上がるように抜重します。このリズミカルな動きがパンピングの核心です。スプリング式のトラック(C7やYOW)ではこの反発力を利用して加速します。
- STEP
リズミカルに繰り返す
左右のターンを滑らかにつなげ、リズミカルに繰り返します。徐々にスピードが増してくるのを感じられるようになったら成功です。このパンピング動作は、サーフィンでのスピード生成に直結します。

メイ
パンピングを練習してるけど、なかなかスピードが乗らないんだよね。何か良いコツはある?
パンピングでよくある失敗は、足や膝だけで動かそうとすることです。サーフィンと同じく、上半身から動きを始めることがポイントです。肩と腕を大きく使い、目線もターンする方向に向けて、体全体でリズミカルに動きましょう。また、荷重と抜重のタイミングも重要です。ターンの始まりで軽く沈み込み(荷重)、途中で伸び上がる(抜重)ことで効率的に加速できます。平坦な場所より、緩やかな下り坂で練習すると加速を感じやすいですよ。

ヒガ
ボトムターン練習法
サーフィンの基本マニューバーであるボトムターンは、サーフスケートで効果的に練習できます。特にCarver CXやnanazeroのような安定性のあるモデルが適しています。
- STEP
適切な速度をつける
パンピングなどで適度な速度をつけます。実際のサーフィンでのスピード感に近づけるため、ある程度のスピードが必要です。
- STEP
低い姿勢で入る
ターンの前に膝を曲げて低い姿勢を作ります。これがボトムターンの「溜め」の動作になります。この時、両腕も前に伸ばして体をコンパクトにします。
- STEP
目線と肩の回転
ターンしたい方向に目線を向け、その方向に肩を回転させます。体重は徐々に前足に移し、エッジ(レール)をしっかり効かせます。この時、腰も回すことでパワーのあるターンが可能になります。
- STEP
立ち上がりながら加速
ターンの途中から徐々に立ち上がりながら、次の動作に向けて加速します。この立ち上がる動作がサーフィンでの「抜重」に相当し、スピードを維持するのに重要です。
サーフスケートでのボトムターン練習で最も重要なのは、「目線」と「上半身の回転」です。これはサーフィンでも同じで、目線をしっかりと向けた方向に体は自然に動くようになっています。何度も反復練習することで、サーフィンでのターン動作が上達します。
より詳しいサーフスケートを使ったサーフィントレーニング方法については、サーフィン初心者がテイクオフから横に走るためのサーフスケート練習方法やサーフスケートでアップスンダウンが上達する練習方法をご覧ください。
11. サーフスケートに関するよくある質問(FAQ)
Q
サーフスケートはサーフィン未経験でも楽しめますか?
A
はい、サーフィン未経験者でも十分楽しめます。特にnanazeroやCarver C7などの安定性があり動かしやすいモデルであれば、初心者でも比較的短時間で基本的な動きをマスターできます。サーフスケートはそれ自体が楽しいボードスポーツであり、将来的にサーフィンを始める際の基礎トレーニングにもなります。
Q
どのくらいの広さの場所で練習するのが良いですか?
A
基本的なパンピングやターンの練習なら、5m×5m程度のスペースでも十分練習できます。公園の広場や空き駐車場など、比較的平坦で舗装された場所が適しています。より本格的なターン練習やスピードを出した練習には、10m×10m以上のスペースがあるとより効果的です。また、緩やかな下り坂がある場所では、よりサーフィンに近い感覚でスピード感のあるターンを練習できます。
Q
デッキサイズの選び方を教えてください。身長が170cmの場合、どのサイズが適していますか?
A
身長170cm程度であれば、30〜32インチのデッキが適しています。これは肩幅よりやや広めのスタンスを取れるサイズで、サーフィンの際のスタンス幅に近いです。初心者の場合はやや長めの31〜32インチを選ぶと安定性があり扱いやすいでしょう。慣れてきたら短いモデル(28〜30インチ)にステップアップすると、より機敏なターンが可能になります。また、トレーニング目的に合わせて選ぶことも重要です(基本練習なら長め、アグレッシブなターン練習なら短め)。
Q
サーフスケートのメンテナンス方法を教えてください。
A
基本的なメンテナンスは以下の通りです:
- 使用後は乾いた布で拭き、砂や埃を取り除く
- 定期的にボルトの緩みをチェックし、必要に応じて締める(特にトラックのキングピンボルト)
- ベアリングに異音がする場合は、ベアリングオイルで注油する
- スプリング式トラック(C7やYOW)は、可動部分に砂が入らないよう注意し、必要に応じて清掃する
- ウィールの摩耗が偏っている場合は、前後を入れ替えて均等に摩耗させる
- 濡れた場合はすぐに拭き取り、特にベアリング部分の水気をしっかり取る
- 直射日光の当たる場所や高温多湿の場所での保管は避ける
定期的なメンテナンスを行うことで、サーフスケートの性能を維持し、寿命を延ばすことができます。
Q
公道でサーフスケートに乗っても問題ないですか?
A
サーフスケートを含むスケートボードは、道路交通法上は「遊具」に分類され、原則として公道での使用は認められていません。特に車道での使用は非常に危険です。安全に練習するためには、公園の広場や空き駐車場、スケートパークなど、専用の場所や私有地で練習するようにしましょう。また、他の利用者の迷惑にならないよう、周囲の状況に常に注意を払うことが大切です。
安全のため、ヘルメットやプロテクター(膝・肘・手首)の着用をおすすめします。特に初心者や新しいテクニックを練習する場合は必須です。詳しくはサーフスケート安全ガイドをご覧ください。
12. まとめ:あなたにぴったりのサーフスケートを見つけよう

この記事では、人気の3ブランド「Carver」「YOW」「nanazero」のサーフスケートについて徹底比較してきました。ここで重要なポイントをおさらいしましょう。
- Carver: サーフスケートのパイオニアブランド。C7(フロー感重視)とCX(安定性・技術練習重視)の2つのトラックシステムを提供。高品質だが価格は高め。
- YOW: 極限の機動性と反応性を追求したブランド。ショートボードの動きを忠実に再現できるが、初心者には扱いにくい面も。S4/S5の2種類のスプリング硬度から選べる。
- nanazero: 日本発の新興ブランド。コストパフォーマンスと安定性を両立した初心者〜中級者向けモデル。直販方式で価格を抑えつつ、環境に配慮した素材を使用。
サーフスケート選びで最も重要なのは、ブランドやモデルの「最高」を探すことではなく、あなた自身のスキルレベル、練習目的、予算に最適なものを選ぶことです。以下のポイントを参考に、自分にぴったりのサーフスケートを見つけてください。
- サーフィンレベルに合わせて選ぶ: 初心者は安定性のあるモデル、中級者以上は目的に応じた特性のモデルを選びましょう。
- 練習目的を明確にする: バランス感覚を養いたいのか、ターン技術を向上させたいのか、目的に応じたモデルが異なります。
- 予算を考慮する: コストパフォーマンスを重視するならnanazero、こだわりの一台ならCarverやYOWが選択肢になります。
- デッキサイズは身長に合わせる: 身長に合った適切なサイズを選ぶことで、自然なスタンスでの練習が可能になります。
- 可能なら試乗してみる: 乗り味は実際に体験してみないと分からない部分も多いので、可能であれば購入前に試乗することをおすすめします。
サーフスケートは、サーフィンの陸上トレーニングとして非常に効果的なツールです。適切なモデルを選び、効果的な練習を継続することで、サーフィンスキルの大幅な向上が期待できます。また、それ自体が非常に楽しいアクティビティなので、波のない日や海から遠い場所でも、サーフィンの感覚を楽しむことができます。
より詳しいサーフスケートの情報は、サーフスケート完全ガイドの他のページもぜひご覧ください。正しい選択と練習で、あなたのサーフィンライフがさらに充実することを願っています。
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