サーフィンのウェットスーツ選びは、体温保持だけでなく運動性能や快適性にも大きく影響する重要な選択です。このガイドでは、初心者の方からベテランサーファーまで、それぞれの目的や状況に合わせた最適なウェットスーツの選び方を詳しく解説します。
目次
1. 基礎知識:ウェットスーツの役割と種類
ウェットスーツの主な役割
- 体温維持
- 日焼け防止
- 擦り傷などの怪我防止
- 運動性能のサポート
主な素材と特徴
スキン(ラバー素材)
- 高い防寒性
- スムーズな着水
- 傷つきやすい特徴あり
スキン素材はカッコいい反面、破れやすいため着脱に注意が必要です。私もFELLOWスキン素材3mmフルスーツを購入しましたが、着衣時に爪を立ててしまって破れてしまいました。自己責任ではありますが、注意が必要ですね。
ジャージ素材
- 優れた伸縮性
- 高い耐久性
- 近年の技術革新で保温性も向上
2. タイプ別の特徴と選び方
フルスーツ
- 特徴:首から手首、足首までカバー
- 使用時期:秋〜春(地域により異なる)
- メリット:最も高い保温性
- デメリット:着脱に時間がかかる
2024年9月に韓国ウェーブパーク用と、沖縄の冬のサーフィンを楽しむために Ripcurl 3mm/2mm フルスーツ を購入しました。
シーガル
- 特徴:フルスーツの上半身を半袖にした形状
- 使用時期:春・秋
- メリット:パドリングのしやすさ
- デメリット:腕部分の保温性
スプリング
- 特徴:半袖半ズボンタイプ
- 使用時期:夏
- メリット:着脱の容易さ
- デメリット:保温性は低め
タッパー
- 特徴:上半身のみのジャケットタイプ
- 使用時期:夏
- メリット:柔軟な着用が可能
- デメリット:下半身の保護なし
主に夏場の日焼け対策に使います。また子供たちとプールや海に行くときも活躍するので、パパサーファーには必須のウェットスーツです。
参考記事:【レビュー】リップカール ウェットスーツ タッパー メンズ OMEGA 1.5mm バックジップ ロングスリーブ タッパー ジャケット
ロングジョン
- 特徴:上半身はノースリーブ、下半身は足元までのタイプ
- 使用時期:夏(沖縄では5月〜12月まで)
- メリット:脱着が簡単
- デメリット:日焼けが独特
私はロングジョン+タッパーでサーフィンをすることが多く、沖縄では冬場も含めて活躍してくれます。温暖な季節では夏場のチンクイ対策や怪我対策としても有効なので、非常に重宝しています。
参考記事:リップカール DAWNPATROL 2mm ロングジョン ウェットスーツ徹底レビュー:夏のサーフィンに最適な一着【2024年】
3. 厚さの選び方と水温の関係
水温別推奨厚さ
- 24℃以上:2mm以下
- 20-24℃:2-3mm
- 16-20℃:3-4mm
- 16℃以下:4-5mm以上
沖縄県は真冬でも20度を下回ることは、あまりありません。そのため3mm/2mmのフルスーツや、ロングジョン+タッパージャケットの組み合わせでも1年中サーフィンを楽しむことができます。
部位別厚さの考え方
- 胸部・背中:保温重視で厚め
- 腕・脚:動きやすさ重視で薄め
- 一般的な組み合わせ例:
- 4/3mm(胸背面4mm、手足3mm)
- 3/2mm(胸背面3mm、手足2mm)
最近は3/2mmのセミドライウェットスーツが登場するなど、厚みを抑えつつも保温性を損なわないウェットスーツも登場しています。
4. 購入方法の選択:既製品とオーダーメイド
日本の特徴的な購入文化
- ローカルサーフショップでのオーダーシステムが一般的
- 丁寧な採寸とカスタマイズ対応
- 長期的な関係性を重視するショップ文化
- アフターケアサービスの充実
ウェットスーツをオーダーするのは日本人特有のカルチャーとも言われています。その理由にサーフショップのローカルコミュニティが関係しています。最近では少なくなりましたが、現代でもサーフポイントによっては、そのポイントを支配しているサーフショップでウェットスーツを購入しないと、そのポイントでサーフィンさせてもらえないなどの独特な文化が根付いています。
ちなみに筆者はローカルコミュニティが苦手なので、ウェットスーツは常に既製品を購入しています。そもそもサーフショップはほとんど利用しません。
グローバルブランドの既製品
- 充実したサイズ展開(XSからXXLまで)
- 迅速な入手が可能
- オンラインでの購入のしやすさ
- コストパフォーマンスの高さ
ウェットスーツは伸縮性が高いので、サイズが合うならオーダーでなくても十分です。オーストラリアやアメリカなどに行けば、ウェットスーツは既製品を買うというのが常識です。
選択のポイント
オーダーメイドが適する場合:
- 体型が標準的でない
- 細かい仕様にこだわりがある
- 長期使用を予定
- サーフショップとの関係性を重視
既製品が適する場合:
- 標準的な体型
- 早急な入手を希望
- コスト重視
- オンライン購入を希望
5. 素材とテクノロジー
最新の素材技術
- 伸縮性に優れた新素材
- 環境配慮型の素材
- 速乾性の向上
- 軽量化技術
縫製技術
- GBS(Glued & Blind Stitched/すくい縫い)
- 生地を接着した後、表面だけを縫う特殊な縫製方法
- 針が生地を貫通しないため、水の侵入を最小限に抑える
- 保温性と防水性に優れる
- 中〜高価格帯のウェットスーツに多く採用
- フラットシーマ(Flat Lock Stitch)
- 生地を平らに並べて縫い合わせる方法
- 針が生地を完全に貫通する
- 伸縮性に優れ、着脱がしやすい
- 水は入りやすいため、主に春夏用の薄手のウェットスーツに使用
- 比較的安価な縫製方法
- その他の縫製方法やポイント
- ダブルニードル:二重に縫い合わせることで強度を高める
- テープ加工:縫い目にテープを貼ることで防水性を高める
- 接着+縫製の組み合わせ:より高い防水性と耐久性を実現
6. サイズ選びのポイント
ウェットスーツのサイズ選びは、自身の採寸次第と言っても過言ではありません。とはいえ自分で採寸するのは難しいので、便利なアプリを使いましょう。私は Bodygram というアプリを使って自己採寸をしています。
写真を撮るだけで簡単に採寸が完了します。
必須の採寸ポイント
- 身長
- 体重
- 胸囲
- ウエスト
- ヒップ
- 肩幅
- 股下
フィッティングのチェックポイント
- 立位での全体的なフィット感
- しゃがんだ時の突っ張り具合
- 腕を上げた時の肩の動き
- 首周りのフィット感
ウェットスーツを試着した時は、特に肩周りの動きや首周りなど確認しましょう。
7. メンテナンス方法
基本的なケア
- 使用後の真水洗い
- 日陰干し
- 適切な折り方
- 保管方法
長持ちさせるコツ
- 着脱時の爪による破損注意
- リペアキットの常備
- 定期的な点検
- 適切な洗剤の使用
8. 予算と価格帯の考え方
価格帯による違い
エントリーモデル(3-5万円):
- 基本機能は十分
- 一般的な素材使用
- 初心者向け
ミドルレンジ(5-8万円):
- 高機能素材使用
- 耐久性の向上
- 中級者向け
ハイエンドモデル(8万円以上):
- 最新技術採用
- 高い耐久性
- 上級者向け
9. よくある質問
Q1. 初めてのウェットスーツ、何を選べばいいですか?
A1. まずは使用する時期と地域の水温を確認し、フルスーツから始めることをお勧めします。
Q2. 試着なしでのオンライン購入は危険ですか?
A2. サイズ表を慎重に確認し、返品・交換ポリシーを確認した上で購入することをお勧めします。
Q3. メンテナンス方法について教えてください。
A3. 使用後は必ず真水で洗い、日陰で干すことが基本です。詳しくは本文のメンテナンス項目をご確認ください。
まとめ
ウェットスーツ選びは、使用環境や目的、体型、予算など、多くの要素を考慮する必要があります。日本特有のオーダーメイド文化や、グローバルブランドの既製品など、選択肢は豊富にあります。このガイドを参考に、自分に最適なウェットスーツを見つけていただければ幸いです。
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