サーフスケートをより快適に、より効果的にサーフィントレーニングに活かすためには、適切なウィールの選択が重要です。この記事は、サーフスケート完全ガイドの一部として、あなたの体格や使用環境に最適なウィールの選び方を解説します。

メイ
サーフスケートを買ったんだけど、ウィールって交換したほうがいいの?どんなサイズや硬さがいいのかさっぱりわからなくて…。コンクリートの公園と近所のアスファルトの道、両方で練習したいんだけど。
ウィールは「地面との唯一の接点」なので、サーフスケートの乗り心地を大きく左右する重要なパーツです。標準装備のウィールでも十分使えますが、体重や路面に合わせて最適なものを選ぶと、サーフィントレーニングの効果も高まります。今日はサーフスケート20年の経験から、最適なウィール選びについてお伝えしますね。

ヒガ
目次
サーフスケート用ウィールの基本知識

通常のスケートボードとの違い
サーフスケート用のウィールは、通常のスケートボードやクルーザーとは明確な違いがあります。サーフィンの動きを陸上で再現するため、より大径かつ幅広で、ソフトな硬度のウィールが使われることが一般的です。
特性 | サーフスケート用ウィール | 通常スケートボード用ウィール | パーク・トリック用ウィール |
---|---|---|---|
直径 | 65-75mm程度 | 52-56mm程度 | 50-54mm程度 |
幅 | 45-55mm程度 | 30-35mm程度 | 30mm前後 |
硬度 | 柔らかめ(75A-85A) | 中程度(85A-95A) | 硬め(95A-101A) |
主な特徴 | グリップ力・衝撃吸収性 | バランスの取れた性能 | スライド性・スピード |
サーフスケート用ウィールの主要スペック
サーフスケート用ウィールを選ぶ際には、以下の3つのスペックを理解しておくことが重要です:
- 直径(Diameter):ウィールの大きさを示す値(ミリメートル単位)
- 幅(Width):ウィールの接地面の広さを示す値(ミリメートル単位)
- 硬度(Durometer):ウィールの硬さを示す値(一般的にAスケールで表示)
これらの値がそれぞれどのような役割を果たし、どのように乗り心地に影響するのかを理解することが、適切なウィール選びの第一歩です。
ウィールの直径(大きさ)と乗り心地の関係


ウィールの直径は、スピード、安定性、障害物の乗り越えやすさに影響します。サーフスケート用ウィールはスケートボードの標準的なものよりも大径であることが一般的で、65mmから75mmの範囲が主流です。
- 最高速度が上がり、長距離のクルージングに適している
- 小さな石や亀裂などの障害物を乗り越えやすい
- 一度加速すると勢いが続きやすい(慣性の効果)
- 粗い路面での振動吸収性が高い(特に柔らかいウィールと組み合わせた場合)
- 加速に時間がかかる(特に体重の軽い人は注意)
- ウィールバイト(ウィールとデッキが接触する現象)が起きやすい
- 重量が増すため、トリック系の動きには向かない
- 全体的に高さが上がるため、安定性が若干低下する
- 素早い加速が可能(特にポンピングの感覚をつかみやすい)
- ウィールバイトが起きにくい
- 重量が軽く、操作性が高い
- デッキが地面に近くなるため、安定感が増す
- 最高速度が出にくく、長距離クルージングには向かない
- 小さな石や亀裂で止まりやすい
- 粗い路面では振動が増す傾向がある
- 加速後の慣性(勢いの持続)が小さい
体重別の最適なウィール直径の選び方
体重が重ければ大きなウィールの「慣性の壁」を乗り越えやすく、軽い人は小さめのウィールの方が扱いやすい傾向があります。一般的な目安は以下の通りです:
体重 | 推奨ウィール直径 | 理由 |
---|---|---|
45kg未満 | 65-68mm | 加速のしやすさ優先。大径だと加速に労力が必要 |
45-65kg | 68-70mm | バランスの取れたサイズ。多くの市販モデルの標準装備 |
65-80kg | 70-72mm | 安定性と速度のバランス。日本人男性平均体重に最適 |
80kg以上 | 72-75mm | 体重で慣性を活かせる。荒れた路面でも安定 |
実際には体格だけでなく、用途や好みによっても最適なサイズは変わります。例えば、パークでの練習が中心であれば、体重に関わらず小さめのウィールを選ぶ方が良いケースもあります。
ウィールの幅と乗り心地への影響

ウィールの幅は接地面積に直結し、グリップ力と操作性のバランスに影響します。一般的なサーフスケート用ウィールは45mmから55mmの幅を持ちます。

メイ
ウィールの幅って実際どう違うの?広いほうがいいの?それとも狭いほうがいいの?
サーフスケートの場合、広いウィールはグリップ力が高まり、深いカービングが安定します。サーフィンでの「レールを効かせたターン」の感覚に近づきます。一方、狭いウィールは軽快で機敏な動きができます。初心者やサーフィントレーニング目的なら、幅広のウィール(50mm前後)がおすすめですよ。

ヒガ
- グリップ力が高く、深いカービングが安定する
- 路面の凹凸を分散して受け止め、乗り心地が向上
- サーフィンのレールワークに近い感覚を再現できる
- 初心者でも安定して乗りやすい
- 重量が増し、加速に若干エネルギーを要する
- スライド系のトリック(パワースライドなど)がやりにくい
- クイックな方向転換がやや難しい
- 軽量で加速性能に優れる
- クイックな方向転換が可能
- スライド系のテクニックが施しやすい
- パーク等でのエアリアルトリックに適している
- グリップ力が弱く、深いカービング時に滑りやすい
- 荒れた路面でのショックが大きい
- サーフィンのレールワークの感覚を再現しにくい
- 初心者には扱いにくい可能性がある
サーフィン練習の観点からは、レールを効かせた深いターンの感覚を再現しやすい幅広ウィールが一般的におすすめですが、トリック系のスタイルや体重の軽い方は幅狭を選ぶのも一つの選択肢です。
体重とウィール幅の関係
体重によっても適切なウィール幅は変わります。体重が重いほどウィールへの負荷が大きいため、適切な接地面積を確保するために幅広のウィールが有効です。
体重 | 推奨ウィール幅 | 理由 |
---|---|---|
45kg未満 | 45-48mm | 軽量で取り回しやすいサイズ |
45-65kg | 48-51mm | グリップと操作性のバランスが取れたサイズ |
65-80kg | 50-53mm | 適切な接地面積を確保しつつ操作性も維持 |
80kg以上 | 52-55mm | 広い接地面積で安定性を確保 |
これらは一般的な目安であり、個人の好みやライディングスタイルによって最適なウィール幅は異なります。サーフスケートのウィールとベアリングについてさらに詳しく知りたい方は、専門記事もご参照ください。
ウィールの硬度(デュロメーター)と用途別選び方

ウィールの硬度はスケートボード業界では一般的にAスケール(デュロメーターA)で表され、数値が大きいほど硬いことを意味します。サーフスケート用ウィールの硬度は一般的に以下の範囲に分類できます:
- ソフト(75A-80A):最も柔らかく、グリップ力と衝撃吸収性に優れる
- ミディアム(81A-87A):バランスの取れた性能で最も一般的
- ハード(88A-95A):スライドや高速走行に適している
硬度の違いによる特性は以下の通りです:
特性 | ソフト(75A-80A) | ミディアム(81A-87A) | ハード(88A-95A) |
---|---|---|---|
グリップ力 | 高い | 標準 | 低い |
衝撃吸収性 | 優れている | 良好 | 限定的 |
耐久性 | 低め | 標準 | 高い |
スピード | 遅め | 標準 | 速い |
スライド性能 | 困難 | 可能 | 容易 |
適した路面 | 粗いアスファルト、不整地 | 一般的な路面全般 | 滑らかなコンクリート、パーク |
路面別の最適なウィール硬度
サーフスケートを楽しむ場所によって、最適なウィール硬度は異なります。

メイ
家の近くの道はちょっと古いアスファルトだけど、時々スケートパークにも行きたいんだよね。どの硬さを選べばいいの?
両方で使うなら、78A〜82A程度の中間的な硬さがベストですね。サーフスケートの標準的な硬さである78Aなら、アスファルトでの振動吸収も良く、パークでもある程度のスピードが出せます。どちらかというとアスファルト重視なら78A、パーク重視なら82A程度がおすすめです。プロのように用途別にウィールを替えるのも手ですよ。

ヒガ
用途別のウィール硬度選び
サーフスケートの使用目的によって最適なウィール硬度は異なります。サーフィンのトレーニングとして使う場合と、単なる移動手段やトリック練習では異なる特性が求められます。
- STEP
サーフスケート初心者向けは硬度78aがオススメ
サーフィンのような深いカービングとスムーズなフローを重視する場合、柔らかめのウィールがおすすめです。グリップ力が高く、波の上でのレールワークに近い感覚を再現できます。特にボトムターンやカットバックの練習に適しており、アスファルトなどの一般的な路面でも振動を吸収して快適に練習できます。
- STEP
サーフスケート中級者向けは78a〜80aがオススメ
サーフィン練習と日常的なクルージングの両方を楽しみたい場合は、中間的な硬さがおすすめです。適度なグリップ力を保ちながらも、ある程度のスピードと耐久性を確保できます。様々な路面やシチュエーションで使いやすく、特に一台しか持てない場合や初めてのサーフスケートにはこの範囲の硬度が最適です。
- STEP
サーフスケート上級者向けは85aなど好みに合わせて
スケートパークやスケートプラザなどの滑らかなコンクリート面で使う場合は、やや硬めのウィールが適しています。スピードが出やすく、高いところからの降下やスラローム的な動きがスムーズになります。ただし、グリップ力はやや低下するため、深いカービングではスライドしやすくなる点に注意が必要です。
- STEP
サーフスケート超上級者向けも85a以上など好みに合わせて
パワースライドや様々なスライド系のテクニックを楽しみたい場合は、より硬めのウィールが最適です。意図的にスライドさせやすく、ダウンヒルなどの高速走行時のスピードコントロールにも役立ちます。ただし、サーフィンのトレーニングとしては適さず、荒れた路面では乗り心地が大幅に低下するため、注意が必要です。
最適なウィールの組み合わせと推奨モデル
サーフスケート用ウィールの選択では、直径・幅・硬度の3つの要素を総合的に考慮する必要があります。ここでは、具体的な体重や用途別におすすめの組み合わせと、市販の人気モデルを紹介します。
体重別・用途別の最適ウィール組み合わせ
用途 / 体重 | 45kg未満 | 45-65kg | 65-80kg | 80kg以上 |
---|---|---|---|---|
サーフィン練習 (アスファルト中心) | 65mm×48mm/75A | 68mm×50mm/78A | 70mm×51mm/78A | 72mm×53mm/78A |
クルージング (長距離移動) | 68mm×48mm/78A | 70mm×50mm/78A | 72mm×51mm/79A | 75mm×53mm/80A |
パーク・コンクリート (ランプ、バンク) | 65mm×47mm/83A | 67mm×48mm/83A | 70mm×50mm/83A | 70mm×52mm/85A |
オールラウンド (万能タイプ) | 67mm×48mm/80A | 68mm×50mm/80A | 70mm×51mm/80A | 72mm×53mm/80A |
この表はあくまで一般的な目安であり、個人の好みやボードの種類、乗り方の癖によって最適な組み合わせは変わります。例えば、より流動的なサーフスタイルを好む方は柔らかめ(75A-78A)を、アグレッシブなライディングを好む方はやや硬め(80A-83A)を選ぶとよいでしょう。

メイ
日本の都市部って路面がちょっと粗いよね…中間くらいの硬さで平気?それとも柔らかいのがいいのかな?あと、具体的なウィールのブランドやモデルで何がおすすめ?
日本の一般的な都市の路面状況では、やや柔らかめの78A前後がおすすめです。特に東京や大阪などの古い舗装の多い都市部では、振動吸収性の高い柔らかいウィールが快適です。おすすめブランドとしては、OrangatangのFat Free(65mm/80A)やIn Heat(75mm/77A)、Blood Orangeの69mm/78Aなどが人気です。CarverやYOWなど各ブランドの純正ウィールも日本の路面に適した仕様になっていますよ。

ヒガ
人気サーフスケートウィールの特徴比較
市販されている主要なサーフスケート用ウィールの特徴を以下にまとめます。
ブランド・モデル | サイズ・硬度 | 特徴 | 適した用途 |
---|---|---|---|
Orangatang In Heat | 75mm×56mm/77A, 80A, 83A | 大径で幅広、カービング特化 | サーフィン練習、クルージング |
Orangatang Fat Free | 65mm×38mm/80A, 83A, 86A | 小径のハイパフォーマンス | パーク、テクニカルライディング |
Blood Orange Morgan Pro | 70mm×50mm/78A, 80A, 82A | 高性能オールラウンダー | 万能型、サーフトレーニング |
Blood Orange Jammerz | 69mm×53mm/78A, 82A | ワイドプロファイル | サーフィン練習、カービング |
Carver Roundhouse | 68mm×59mm/78A, 81A | Carver純正、幅広 | サーフトレーニング、カービング |
YOW Coyote/UrdaiFox | 70mm×51mm/78A, 82A | YOW純正、ブランドに適した設計 | サーフトレーニング、一般路面 |
nanazero Wheel | 70mm×51mm/78A | 日本路面向け最適化 | オールラウンド、サーフトレーニング |
Powell Peralta Snakes | 69mm×44mm/75A | スライド性能と減速、特殊ウレタン | スライド、ダウンヒル |
サーフィンのトレーニングに特化したい場合は、幅広で柔らかめのウィールが理想的です。一方で、多用途に使いたい場合は中間的な硬さのものを選ぶと良いでしょう。
ウィールの交換方法とメンテナンス
ウィールは消耗品であり、また乗り方や環境に合わせて交換したいケースも多いため、基本的な交換方法とメンテナンス方法を知っておくことが重要です。
ウィールの交換手順
- STEP
必要な道具を揃える
ウィール交換に必要な道具は「Tツール」または「スケートツール」と呼ばれるレンチです。これ一つでほとんどの作業ができます。もし持っていない場合は、8mm(または5/16インチ)のソケットレンチか、調整可能なレンチでも代用できます。
- STEP
アクスルナットを外す
トラックのアクスル(車軸)の端にあるナットを反時計回りに回して外します。この際、小さなワッシャー(座金)があるので紛失しないように注意しましょう。通常は両側に1〜2枚ずつワッシャーが入っています。
- STEP
古いウィールを取り外す
ウィールをアクスルから引き抜きます。ウィールの内側にはベアリング(2個)が埋め込まれています。これらは再利用することが多いので、慎重に取り扱いましょう。専用のベアリングプーラーがあると便利ですが、ない場合はアクスルの先端を使って押し出すこともできます。
- STEP
ベアリングの移設
取り外したベアリングを新しいウィールに取り付けます。平らな面にウィールを置き、ベアリングをウィールの中央の穴に合わせ、軽く押し込みます。次に、アクスルの先端をベアリングの中央に当て、均等に力を加えて完全に押し込みます。ウィールの両面に1個ずつ、計2個のベアリングを取り付けます。
- STEP
新しいウィールを取り付ける
ベアリングを取り付けた新しいウィールをアクスルに差し込みます。内側と外側にワッシャーを配置し、アクスルナットで固定します。ナットはウィールが自由に回転するよう、適度な締め付け具合に調整します。強く締めすぎるとウィールが回らなくなり、緩すぎるとガタつきの原因になります。
- STEP
締め付け具合を確認する
すべてのウィールを交換したら、それぞれの回転が滑らかかどうか確認します。ウィールを指で回し、数秒間スムーズに回転すれば適切な締め付け具合です。必要に応じてナットの締め付けを微調整します。最後に、すべてのナットがしっかり固定されていることを確認してから乗るようにしましょう。
ウィールの交換は特別な技術が必要なく、基本的な工具さえあれば誰でも行えます。サーフスケートをより長く快適に使うために、ウィールの状態をこまめにチェックし、必要に応じて交換することをおすすめします。
ウィールとベアリングのメンテナンス方法
サーフスケートのパフォーマンスを最大限に発揮し、長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが重要です。
- 定期的な清掃:ウィールに付着した汚れやゴミは、軽く湿らせた布でふき取ります。特に砂や小石はベアリングに入ると故障の原因となるため、こまめに清掃しましょう。
- 摩耗の確認:ウィールの摩耗状態を定期的にチェックします。片側だけ減っている場合は、左右を入れ替えることで寿命を延ばせます(フリップ)。偏摩耗が著しい場合は、ライディングフォームの見直しも検討しましょう。
- 平らさの確認:ウィールを平面に置き、大きなうねりや平らでない状態になっていないか確認します。平らさが失われている場合は、交換を検討しましょう。
- ウレタンのひび割れチェック:特に古いウィールや長期間使用していないウィールは、ウレタンが劣化してひび割れることがあります。見つけた場合は安全のため交換が必要です。
- 定期的な清掃:3〜6ヶ月に一度を目安に、ベアリングを取り外して清掃します。専用のベアリングクリーナーか、イソプロピルアルコールなどの溶剤を使用します。
- 注油:清掃後は適切な潤滑油(スケートベアリングオイルやスピードクリーム)で注油します。過剰な注油は汚れを吸着する原因になるので、適量を心がけましょう。
- 回転チェック:ベアリングが円滑に回転するか、異音がないかをチェックします。ガタつきや引っかかりがある場合は交換のサインです。
- 雨天走行後のケア:雨の中を走行した場合は、できるだけ早くベアリングを取り外して乾燥させ、注油します。放置するとサビの原因となります。
サーフスケートのメンテナンスについてさらに詳しく知りたい方は、サーフスケートのメンテナンス完全ガイドをご覧ください。適切なケアと定期的な部品交換で、サーフスケートの性能を長く維持することができます。
ウィールとベアリングの関係性
サーフスケートの滑らかな走行を支えるのは、ウィールだけではありません。ウィール内部に組み込まれたベアリングも重要な役割を担っています。
ベアリングの役割と重要性
ベアリングは、ウィールがアクスル(車軸)の周りをスムーズに回転するための部品です。一般的なスケートボードやサーフスケートでは、各ウィールに2つのベアリングが使用されています。ベアリングの質は、以下の要素に大きく影響します:
- 回転の滑らかさ:高品質なベアリングはより少ない摩擦で回転し、スムーズな走行感を実現
- スピード:良いベアリングは同じ力でより長く回転し、速度の維持に貢献
- ポンピング効率:円滑な回転は、サーフスケート特有のポンピング動作の効率を高める
- 耐久性:品質の高いベアリングは長く使用でき、パフォーマンスの低下が少ない
ベアリングの規格と選び方
スケートボードやサーフスケートに使用されるベアリングは、一般的に「608」と呼ばれる規格のものです。外径22mm、内径8mm、幅7mmのサイズが標準です。ベアリングの品質や性能は「ABEC(エイベック)」という規格で表されることがあります。
ABEC規格は1、3、5、7、9という数字で表され、数字が大きいほど精度が高いとされています。ただし、ABEC規格はスケートボードの使用状況を想定したものではないため、完全な指標とはなりません。近年では「Bones REDSベアリング」のように、スケート専用の独自規格を持つ人気ブランドも多くあります。

メイ
せっかくいいウィールに交換するなら、ベアリングも一緒に良いものにした方がいいのかな?ABEC 7とか9が最高って聞くけど、実際どうなの?
実は、サーフスケートに関しては、超高精度のベアリングにこだわる必要はあまりありません。ABECの数値よりも、防水性や耐久性の方が重要です。一般的なサーフスケーターには「Bones REDSベアリング」や「Zealous ベアリング」など、適度な価格で信頼性の高いモデルがおすすめです。サーフスケートではスピードよりもターンやポンピングの質感が重要なので、ベアリングよりもウィールやトラックに投資する方が体験向上に繋がりますよ。

ヒガ
サーフスケートのパフォーマンスに大きく影響するのは、ベアリングの絶対的な精度よりも、適切なメンテナンスによる円滑な動作です。定期的な清掃と注油を行うことで、中級クラスのベアリングでも十分な性能を発揮します。
ウィールを交換する際には、既存のベアリングを再利用することも可能ですが、摩耗や汚れが目立つ場合は同時に交換することでサーフスケートの性能を最大化できます。ベアリングの詳細についてはサーフスケートのウィールとベアリングで詳しく解説しています。
サーフスケートウィールとサーフィン技術の関係
サーフスケートの最大の魅力の一つは、サーフィンのトレーニングツールとしての有効性です。ウィールの選択は、どのようなサーフィン技術の練習に重点を置くかによっても変わってきます。
サーフィンの基本であるボトムターンやカットバックの練習には、グリップ力の高い幅広ウィールが適しています。具体的には、70-72mm×50-55mm/75-78Aの仕様が理想的です。このタイプのウィールは、深いカービングでもスリップアウトしにくく、レールを効かせたターンの感覚を再現できます。
特にサーフスケートでのボトムターン練習では、体重移動と連動したレールワークが重要なため、適切なグリップ力を持つウィールが学習効果を高めます。
よりアグレッシブなスナップターンやエアリアルなどのラディカルなマニューバーの練習には、若干小さめで硬めのウィールが適しています。67-70mm×48-50mm/80-83A程度の仕様がこのタイプの練習に向いています。このようなウィールは反応が敏感で、素早い動きやリップでのスナップ感に近い感覚を体験できます。
ただし、初心者や中級者がいきなりこのタイプのウィールを使うと、コントロールが難しく上達が遅れる可能性があります。まずは基本的なターン技術を幅広の柔らかめウィールで習得してから、徐々にステップアップすることをおすすめします。
ロングボードのようなフローのあるサーフィンスタイルを練習するには、大径で幅広、そして柔らかいウィールが最適です。72-75mm×53-56mm/75-78Aのウィールは、滑らかな走行感とスムーズなターンを実現し、波の上でのトリム(直線的な滑走)の感覚に近い体験ができます。
このタイプのウィールは、特にサーフィン初心者がテイクオフから横に走るためのサーフスケート練習に最適で、安定性が高く初心者でも扱いやすいという特徴があります。
サーフスケートを使ったサーフィントレーニングをより効果的に行うためには、自分のサーフスタイルとトレーニング目的に合ったウィールを選ぶことが重要です。ウィールの特性を理解し、目的に合わせて使い分けることで、陸上でのトレーニング効果を最大化できます。
よくある質問(FAQ)
サーフスケート用ウィールに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q
サーフスケートに通常のスケートボードのウィールを使っても大丈夫ですか?
A
技術的には取り付け可能ですが、通常のスケートボード用ウィール(52-56mm程度)はサーフスケートには小さすぎる傾向があります。サーフスケートは一般的に65-75mmの大径ウィールを使用し、より滑らかな乗り心地と深いカービングを実現しています。標準的なスケートウィールを使用すると、サーフィンのような感覚が得られにくく、小さな障害物で止まりやすくなる可能性があります。
Q
ウィールが大きすぎるとどんな問題が起きますか?
A
過剰に大きなウィール(75mm以上)を使用すると、いくつかの問題が生じる可能性があります。まず、ウィールバイト(ウィールとデッキが接触する現象)のリスクが高まります。また、ボードの重心が高くなり安定性が低下し、加速には多くのエネルギーが必要になります。さらに、ボードの高さが上がることで、ポンピングやカービングの操作性に影響を与えることがあります。特に体重の軽い方や初心者にとっては、適切なサイズ(65-72mm程度)から始めることをおすすめします。
Q
ウィールを交換するタイミングはいつですか?
A
ウィールの交換タイミングには以下の目安があります:
- 偏摩耗が著しく、フラットスポット(平らな部分)ができている
- ウレタンにひび割れや大きな欠けがある
- サイズが小さくなり、本来の直径の20%以上減少している
- 回転が滑らかでなくなり、正常な使用でもウォブル(不規則な揺れ)が生じる
- 用途や路面条件の変化に合わせてグレードアップしたい
一般的に、使用頻度や乗り方にもよりますが、定期的なサーフスケーターで6ヶ月〜1年、頻繁に使用する場合は3〜6ヶ月での交換を検討するとよいでしょう。
まとめ:自分に最適なサーフスケートウィールを選ぼう
サーフスケート用ウィールの選び方について詳しく解説してきましたが、最適なウィールは個人の体格、使用環境、目的によって異なります。以下に重要なポイントをまとめます。
- 直径(サイズ):体重や用途に応じて65-75mmの範囲から選択。一般的には体重が軽い人は小さめ、重い人は大きめがおすすめ。
- 幅:サーフィンの練習には幅広(50-55mm)がレールワークの感覚に近く適しているが、クイックなライディングには幅狭(45-49mm)も選択肢に。
- 硬度:アスファルトや一般路面では柔らかめ(75A-78A)、スケートパークなどの滑らかな路面では中程度(80A-83A)が適している。
- トレーニング目的:ボトムターンやカービング練習には柔らかく幅広のウィール、スナップや素早い動きの練習には硬めで小さめのウィールが適している。
- メンテナンス:定期的な清掃とベアリングのケアで性能を維持し、摩耗やダメージが著しい場合は交換を検討する。
最も重要なのは、自分のサーフスタイルとサーフスケートの使用目的に合わせた選択をすることです。バランスの取れた一般的な選択として、70mm×51mm/78Aのウィールは多くの日本人サーファーに適しており、アスファルトとコンクリートの両方の路面で使いやすい組み合わせです。
初めてのウィール交換の場合は、標準的なスペックから始めて、使用感に応じて徐々に自分好みにカスタマイズしていくアプローチがおすすめです。サーフスケートは、適切なウィールを選ぶことで、より効果的なサーフィントレーニングツールになり、陸上でのサーフィン体験をさらに向上させることができます。
ウィールはサーフスケートの乗り心地を大きく左右する重要な部品です。今日お伝えした内容を参考に、ぜひあなたの体格や用途に合ったウィールを選んでみてください。適切なウィールで練習することで、サーフィンスキルの向上にも大きく貢献します。何か質問があれば、コメント欄でお気軽にどうぞ!

ヒガ
体格・用途別のおすすめウィール
- Orangatang Fat Free 65mm/80A(オールラウンド)
- Blood Orange Morgan 65mm/78A(初心者、アスファルト)
- Carver Roundhouse 68mm/78A(サーフィン練習)
- YOW Coyote 70mm/78A(オールラウンド)
- Blood Orange Morgan 70mm/78A(初心者〜中級者)
- nanazero Wheel 70mm/78A(日本の路面向け)
- Orangatang In Heat 75mm/77A(安定性重視)
- Blood Orange Jammerz 69mm/78A(幅広タイプ)
- Carver Roundhouse 70mm/81A(高速安定性)
サーフスケートのウィール選びは、あなたのサーフィンスタイルや練習環境を向上させる重要な要素です。ぜひ今回の情報を参考に、自分に最適なウィールを見つけて、サーフスケートとサーフィンの両方をさらに楽しんでください。
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この記事はサーフスケート完全ガイドの一部です。サーフスケートに関するさらに詳しい情報は、以下の記事も参考にしてください。