サーフィンの世界では、ミッドレングスボードが「ショートボードの機動性」と「ロングボードの安定性」のバランスを取った選択肢として、近年特に人気を集めています。中でもナナゼロの「MID02 ツインピン」は、人気のMID02シリーズをツインフィン仕様にアレンジした特別モデル。このボードは波をキャッチする安定感はそのままに、ターンの軽快さと加速感を追求したモデルとして注目を集めています。
今回は、実際にこのボードに乗り込んだ経験から、その特徴や性能、どんなサーファーに向いているのかを徹底的に解説します。中級者サーファーの皆さんが次のステップアップとして、あるいは新たなサーフスタイルを楽しむための選択肢として参考になれば幸いです。
目次
MID02 ツインピンの基本スペックと特徴

MID02 ツインピン スペック表
- サイズ:6’8″ (203cm)
- ボリューム:40.6L
- 価格:¥103,800
- 構造:WOOD SKIN(4ozファイバーグラス + ウッドスキン + 6ozファイバーグラス)
- ストリンガー:バンブー1本
- ボトム形状:シングルコンケーブ〜ダブルコンケーブ〜vee
- レール形状:ミディアム
- フィンシステム:ツイン(Futures対応)
- カラーオプション:Grayish Blue & Wood, Grayish Blue
- 推奨サーファーレベル:中級者〜上級者
- 推奨体重:60〜85kg
ナナゼロ MID02 ツインピンは、一般的なMID02(2+1フィン構成)からセンターフィンを取り除き、ツインフィン仕様にしたモデルです。主な特徴は以下の通りです:
- ツインフィン構造
センターフィンがないことによる優れた加速感と軽快なターン性能を実現しています。 - ウッドスキン構造
木材シートを活用した環境に配慮した構造で、美しい見た目と耐久性を兼ね備えています。 - 絶妙なバランス設計
6’8″のミッドレングスサイズと40.6Lのボリュームにより、パドリングの容易さと操作性の高さを両立しています。 - テール形状の工夫
テール部分をやや薄くすることで、ターン時の切れ味と反応性を向上させています。 - ボトム形状の最適化
シングルコンケーブからダブルコンケーブ、そしてveeへと変化するボトム形状により、直進性と回転性のバランスを実現しています。

メイ
ウッドスキン構造って普通のサーフボードと何が違うの?見た目は確かに綺麗だけど、性能面での違いはあるの?
ウッドスキン構造は単なる見た目の美しさだけではありません。薄い木材シートをEPSフォームとグラスファイバーの間に挟むことで、通常のEPS構造よりも耐久性が向上し、反発力(スプリング効果)も得られます。また環境面でも、樹脂の使用量を減らせるサステナブルな構造なんですよ。

ヒガ
MID02 ツインピンの魅力と強み
MID02 ツインピンの最大の魅力は、その乗り心地と性能のバランスにあります。実際に様々な波質で試乗した感想として、以下のポイントが特筆すべき特徴です。
波のキャッチのしやすさ
ミッドレングスの長さと適度なボリューム(40.6L)により、ショートボードよりも明らかに波をキャッチしやすくなっています。パドリング時の安定感と推進力は、特に弱い波や小波の条件下で大きなアドバンテージとなります。
テイクオフ時の安定性も高く、初めてこのサイズ帯のボードに挑戦する中級者でも安心して乗り込める設計になっています。特に胸〜肩サイズの波では、パドリングからテイクオフまでの一連の動作がとてもスムーズに感じられます。
ターンの軽快さと操作性
MID02 ツインピンの真骨頂は、そのターン性能にあります。通常のMID02がセンターフィン+サイドフィンの2+1構成であるのに対し、ツインピンバージョンはセンターフィンを排除したツイン構成を採用。
これにより得られる効果は以下の通りです:
- 加速の向上:センターフィンによる抵抗が減ることで、ボトムターン後の加速が格段に向上
- ターンの伸び:ツインフィン特有の伸びのあるターンが可能
- レールtoレールの動き:ボードを傾けての切り替えがスムーズに
スピード感とドライブ感
MID02 ツインピンは波に乗った瞬間から、そのスピード感とドライブ感を実感できます。特にボトムターンからの加速は、センターフィンの抵抗がないことで、通常のMID02よりも明らかに速く感じられます。
波の壁を縦横に使ったサーフィンが可能で、ミッドレングスサイズでありながらショートボードのような俊敏性も備えています。これはレイバックやカットバックなどの動的なマニューバーを練習したい中級者サーファーにとって大きなメリットです。
通常のMID02との差別化ポイント
ナナゼロのMID02シリーズはすでに多くのサーファーに支持されていますが、このツインピンバージョンは、従来モデルとどのような違いがあるのでしょうか。ここでは両者を徹底比較します。

メイ
ツインフィンって直進安定性が悪いって聞くけど、初心者や中級者にも扱いやすいものなの?通常のMID02と比べてどう違うの?
確かにツインフィンは直進安定性では通常のMID02に劣ります。しかしMID02 ツインピンの場合、十分な長さ(6’8″)とボリュームがあるため、中級者なら十分コントロールできます。通常のMID02は安定感があり初級者〜中級者の基本技習得に適していますが、ツインピンは波の壁を生かしたレールターンやカットバックをスムーズに決めたい中級者以上に最適です。小波〜腰波の日にその違いを最も実感できるでしょう。

ヒガ
主な違いを比較すると以下のようになります:
- 通常のMID02:センターフィン+サイドフィン(2+1構成)
- MID02 ツインピン:サイドフィン2基のみ(ツイン構成)
センターフィンの有無により、以下のような特性の違いが生まれます:
- 直進安定性:通常のMID02の方が優れる
- ターンのレスポンス:MID02 ツインピンの方が軽快
- 波のキャッチ後の加速:MID02 ツインピンの方が速い
- 波の壁を使った横への走り:MID02 ツインピンの方が滑らかで伸びがある
使用感レビュー:波質別の性能評価

MID02 ツインピンは、様々な波のコンディションで実力を発揮しますが、特に以下のような条件で真価を発揮します。
小波〜腰波での使用感(膝〜腰サイズ)
ミッドレングスサイズの6’8″と40.6Lのボリュームにより、パワーの弱い小波でも十分に波をキャッチし、楽しむことができます。特にツインフィン構成により、通常のミッドレングスでは味わえない軽快な動きが可能です。
実際に沖縄エリアの腰サイズの波で使用した際は、周囲のサーファーがショートボードで苦戦する中、安定して波をキャッチし、波のフェイスでの加速感を楽しむことができました。特に波のショルダー部分での切り返しが非常にスムーズで、通常のMID02では味わえない解放感がありました。
中波での使用感(胸〜肩サイズ)
腰〜胸サイズの波では、このボードの性能が最も発揮されます。波の壁を使ったターンの伸びやスピード感を十分に楽しめるサイズであり、中級者サーファーにとって最も楽しめるコンディションと言えるでしょう。
沖縄エリアの胸サイズの波で使用した際は、ボトムターンからの加速が非常に気持ち良く、波のトップまで伸びやかに上がることができました。レールの食いつき感も絶妙で、中級者でもスムーズなカットバックが決めやすい特性があります。
ターン・カットバックの特性
MID02 ツインピンのターン性能は、その特徴的なツインフィン構成によって大きく影響を受けています。ボトムターンでは、レールの食いつき感とリリース時の軽快さのバランスが絶妙です。
カットバックでは、通常のミッドレングスと比較して明らかに切り返しが軽く、レールからレールへの移行がスムーズです。特に体重75kg前後の私の体格でも、ボードの反応が素直で扱いやすく感じました。
ただし、大きめの波(頭サイズ以上)では、ツインフィン構造の特性上、「テールスライド」が起こりやすい点は注意が必要です。特に強い波でのボトムターン時には、しっかりとレールを入れる技術が求められます。
体重別の適性について
MID02 ツインピンの6’8″、40.6Lというスペックは、特に以下のような体型・体重のサーファーに適しています:
- 60〜75kg:最適なバランスで乗ることができます。ボードの反応が素直で、意図した通りの動きを引き出しやすいでしょう。
- 75〜85kg:やや重めですが、十分に楽しめるボリュームです。特に小波でも浮力が確保できるメリットがあります。
- 〜60kg:軽量な方は、より小回りの効くサイズダウンを検討してもよいでしょう。
- 85kg〜:やや浮力が不足する可能性があります。より大きなボリュームのモデルを検討することをお勧めします。
MID02 ツインピンがおすすめのサーファー

MID02 ツインピンはどのようなサーファーに適しているのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
スキルレベル別の適性
- 初心者:基本的には向いていません。まずは通常のMID02や安定性の高いモデルから始めることをお勧めします。
- 中級者:最も適したレベルです。基本的な波の乗り方をマスターし、次のステップとしてツインフィンの特性を生かしたよりフリーなサーフィンを楽しめます。
- 上級者:波の壁を縦横に使った表現力の高いサーフィンを楽しむアルターナティブボードとして最適です。
サーフスタイルとの相性
MID02 ツインピンは特に以下のようなサーフスタイルを好むサーファーに最適です:
- レールターンを中心としたサーフィンを楽しみたい方
- スピード感と開放感のあるサーフィンを好む方
- ショートボードとロングボードの中間的な楽しみ方を求める方
- レイバックやカットバックなどの横への動きを重視する方
波質別のおすすめ度
様々な波質でのMID02 ツインピンの適性は以下の通りです:
- 小波(スネ〜ヒザ):★★★★☆
十分なボリュームにより、小さな波でもキャッチできますが、ツインフィンの特性を十分に活かすには少しパワーが欲しいところです。 - 中波(腰〜胸):★★★★★
最も適したコンディションです。波の壁を使ったターンの伸びやスピード感を十分に楽しめます。 - 大波(肩〜頭):★★★☆☆
十分に楽しめますが、ツインフィン構造のため、強い波での直進安定性はやや劣ります。中級者以上の技術が必要です。 - 風波・硬い波:★★★★☆
抜群の波キャッチ能力とスムーズな加速性能で、コンディションの悪い日でも楽しめます。
MID02 ツインピンのメリット・デメリット

- 波のキャッチしやすさ:十分な浮力とボリュームにより、小さな波でもキャッチしやすい
- 加速性能:ツインフィン構造による優れた加速感
- ターンの伸び:ツインフィン特有の伸びのあるターンが可能
- 軽量性:EPSコアとウッドスキン構造による軽量設計
- 環境への配慮:ウッドスキン構造は従来の構造より環境負荷が低い
- 美しいデザイン:木目の美しさと機能性を兼ね備えたデザイン
- 直進安定性:ツインフィン構造のため、直進安定性は通常のMID02に劣る
- 大波での安定性:大きな波ではコントロールが難しくなる場合がある
よくある質問
Q
ナナゼロ MID02 ツインピンは初心者に適していますか?
A
初心者には基本的に向いていません。ツインフィン構造は直進安定性がやや劣るため、まずは通常のMID02など2+1構成の安定性の高いモデルでサーフィンの基本を身につけることをお勧めします。中級者以上で、より軽快なターン性能を求める方に適したモデルです。
Q
通常のMID02とツインピンモデルはどう違いますか?
A
最大の違いはフィン構成にあります。通常のMID02はセンターフィン+サイドフィン(2+1構成)であるのに対し、ツインピンはサイドフィン2基のみ(ツイン構成)です。これにより、ツインピンのほうがターンのレスポンスと加速性能に優れる一方、直進安定性は通常モデルの方が高くなっています。
Q
MID02 ツインピンに最適な波質はどのようなものですか?
A
MID02 ツインピンは腰〜胸サイズの中波で最も性能を発揮します。この波サイズであれば、波の壁を使ったターンの伸びやスピード感を十分に楽しめます。小波でも十分なボリュームでキャッチは可能ですが、大波ではツインフィン特有のテールスライドに注意が必要です。
Q
MID02 ツインピンに適した体重は?
A
6’8″サイズで40.6Lのボリュームを持つMID02 ツインピンは、60〜85kg程度のサーファーに最適です。特に60〜75kgの方にとって最も扱いやすいバランスになります。85kg以上の方は浮力がやや不足する可能性があるため、より大きなモデルを検討することをお勧めします。
まとめと購入アドバイス
ナナゼロ MID02 ツインピンは、中級者サーファーのステップアップや、新たなサーフスタイルの探求に最適なミッドレングスボードです。ツインフィン構造による軽快なターン性能と優れた加速感は、サーフィンの楽しさを新たな次元に引き上げてくれることでしょう。
このボードが特におすすめなのは:
- 基本的なサーフィン技術をマスターし、次のステップに進みたい中級者
- レールを使ったターンを重視するサーフスタイルを好む方
- 小波から腰波がメインのサーフポイントで楽しむ方
一方、以下の方は他のモデルを検討されることをお勧めします:
- サーフィン初心者(まずは通常のMID02などの安定性の高いモデルをお勧めします)
- 直進安定性を重視する方
- 大きな波での安定性を求める方
適切な波質とスキルレベルさえあれば、このボードはあなたのサーフィンライフに新たな喜びをもたらしてくれるはずです。関連モデルとして、より安定性を求める方は通常のMID02を、さらに軽快な動きを求める方はMID03 ツインも検討されるとよいでしょう。
ナナゼロの各モデルの詳細については、ナナゼロ サーフボード全17種類まとめも併せてご覧ください。
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