この記事は、サーフボード完全ガイドの一部として、貴重な資料となるよう詳細情報を残しています。現行モデルをお探しの方は、ビーチアクセス全ソフトボードまとめで最新のラインナップをご確認ください。
- ビーチアクセス 6’0″ 38L ショートエッグの詳細スペックと特徴
- 開発者視点から見た設計意図と特長
- 1年以上の実践使用による性能評価
- 波質別の乗り味と対応力
- フィンセッティングのバリエーションと効果
- ソフトボードでありながらショートボードに近い性能を実現した秘密
- 代替となる現行モデルの選び方
目次
はじめに:ビーチアクセス 6’0″ ショートエッグの位置づけ
こんにちは、ヒガシーサーです。本記事ではビーチアクセス 6’0″ 38L ショートエッグ ワックスフリーについて詳しく解説します。このモデルは現在廃盤となっていますが、私が開発に携わった思い入れの深いボードです。廃盤となった今だからこそ語れる開発秘話と、1年以上実際に使い込んだ経験に基づくレビューを共有します。
このボードは「ソフトボードながらショートボード感覚で乗れる」という、当時画期的なコンセプトで開発されました。ショートボードへのステップアップを目指す初中級者や、小波でも楽しみたい経験者のセカンドボードとして多くのサーファーに愛用されていました。

メイ
ヒガさん、普通のソフトボードはすごく浮くイメージですが、このボードはショートボードに近いって本当ですか?初心者でも乗れるのかな?
はい、一般的なソフトボードと違って適度な浮力設計なので、実際のショートボードに近い感覚で乗ることができます。ただし全くの初心者さんには少し難しいかもしれません。テイクオフができて基本的なコントロールができる方なら十分楽しめるボードでしたよ。

ヒガ
【基本情報】ビーチアクセス 6’0″ 38L ショートエッグ ワックスフリー
モデル | ビーチアクセス 6’0″ 38L ショートエッグ ワックスフリー |
長さ | 6フィート0インチ (約183cm) |
容量 | 38リットル |
フィン構成 | シングル+サイドフィン(付属) |
特徴 | ワックスフリーデッキ、ソフトトップ構造 |
対応レベル | 初級者(テイクオフができる方)〜上級者 |
対応波質 | ヒザ〜アタマサイズ |
販売状況 | 廃盤(生産終了) |
メリット・デメリット
- ワックスフリーで手入れが簡単
- ショートボード形状でありながら波キャッチが容易
- パドリング、テイクオフ、ドルフィンスルーの練習に最適
- ソフト素材で安全性が高い
- フィンセッティングによる多様な乗り味
- 完全な初心者には少し難易度が高い
- 現在は廃盤のため入手困難
- 他のソフトボードと比べると浮力がやや少なめ
開発者視点: なぜこのボードを作ったのか
ビーチアクセス 6’0″ ショートエッグは、私が開発チームと一緒に考案したモデルです。当時(2022年頃)のソフトボード市場には以下のような課題がありました:
- ショートボード形状のソフトボードは少なく、あっても初心者向けではなかった
- 既存のソフトボードは浮力が強すぎてショートボーダーが乗りにくい
- ワックスフリーのソフトボードが少なかった
- 多くのソフトボードはテイクオフ特化で、基本動作の練習に繋がりにくかった
私自身、台湾サーフトリップに「ソフテックボマー」を持って行きましたが、浮力が強すぎて乗りこなせなかった経験があります。そこで「ショートボードのように乗りたいけど、浮力が強すぎるソフトボードは苦手」という思いから、乗りやすいショートタイプのソフトボードを共同開発することになりました。
目指したのは「オールラウンドにサーフィンを楽しみながら、ショートボードへのステップアップに繋がる練習ができるボード」です。単なるテイクオフ特化やパドリング特化ではなく、サーフィンの基本動作「傾ける」「屈伸する」「ひねる」を練習できるボードを設計しました。

【本音レビュー】1年以上乗り続けて分かったこと

波キャッチ性能の高さに驚いた
YouTube撮影時のコンディションでは、30分で20本以上の波に乗れました。他の条件でも、平均して1時間に20本以上の波をキャッチできています。シングルフィンを大きく取り付けられるため、小波でも波のパワーを効率的に拾い、多くの波に乗れるのが魅力です。
小波では大きなフィンの方が科学的に波のパワーをキャッチしやすいため、シングル+サイドフィンのシステムを採用したことで波キャッチ性能が高くなっています。
パドリングのスムーズさ
ソフトボードは浮力が強すぎて、効率的なパドリングが難しいことが多いのですが、このボードは違います。最適な浮力設計により、疲れないパドリングフォーム(小指から落として肘で引く)が実践できます。
サーフボードの幅や厚みがありすぎると、パドリングは逆に疲れやすくなります。このボードはアウトラインに沿って平行にパドリングができるよう設計されており、一般的なサーファーでもラクに漕げます。

メイ
パドリングの練習ボードとしても良いんですね!でも、ドルフィンスルーって浮力が強いソフトボードじゃ難しいと思うんですが、このボードではできるんですか?
はい、このボードはノーズが一般的なソフトボードより尖っていて、厚みのバランスも調整されているため、ドルフィンスルー(ダックダイブ)が可能です。体重54kgの私でも問題なくできました。これは波に向かってパドリングする際の重要なスキルなので、練習できるのは大きなメリットですね。

ヒガ
テイクオフの安定性
6’0″という長さはソフトボードとしては短いものの、驚くべきことに掘れ上がる波でも安定してテイクオフができます。浮力の大きなソフトボードでは波に巻き上げられることが多いですが、このボードはそのような問題が少ないです。
これは、テールの設計(ラウンドテール)とフィンシステムによるものです。大きめのセンターフィンを使うことで重心がテール側にかかり、テールを沈めやすくなります。また、シングルフィンが後ろからの波のパワーを効率よく捉えて、テイクオフの安定性を高めています。
ドルフィンスルー(ダックダイブ)の可能性
ソフトボードは浮力が強く、ノーズが丸いためドルフィンスルーが難しいのが一般的です。しかし、このボードはノーズが尖っており、ドルフィンスルーが可能です。体重54kgの私でも問題なくダックダイブができました。
サーフィン基本動作の練習ができる
シングルフィン+サイドフィンというセッティングにより、様々な乗り方が可能です。通常時はシングル+スタビライザーで安定性の高いサーフィンを楽しみ、シングルフィンのみでレールを使った練習もできます。
レールは通常のソフトボードより薄く設計されているため、体重移動によるレールワークの練習に適しています。このボードでターンができるようになると、通常のショートボードのターンが簡単になり、上達を実感できます。
どんな人に向いていたか
- ショートボードにステップアップしたい初中級者
- 基本動作を練習したいショートボード経験者
- 体重が軽いキッズのファーストボード
- サーフィンの基本を安全に練習したい方
最もおすすめだったのは「将来、ショートボードにステップアップしたいサーフィン初級者」です。ソフト素材による安全性と、基本動作をしっかり練習できる設計により、ショートボードへの移行をスムーズにするためのブリッジ的ボードでした。
【動画解説】実際のサーフィン映像と解説
この動画では、6’0″ ショートエッグの実際のライディングと詳細な解説をしています。テイクオフの安定性、ターンの容易さ、波キャッチの良さなど、実際の波での性能を見ることができます。
【サーフィン静止画集】沖縄県砂辺のリーフブレイク




【開発秘話】ソフトボードの弱点を克服する挑戦
ビーチアクセス 6’0″ ショートエッグは、ソフトボードでよく直面する問題点を解決していくことでコンセプトが固まりました。
- 見た目が初心者っぽい
- テイクオフで波に刺さりやすい
- ドルフィンスルーが難しい
- 基本動作の練習に繋がりにくい
- ワックスを塗ると汚れる
テイクオフの安定性を追求
掘れ上がる波ではソフトボードが巻き上げられやすいのは、テールが浮いてしまうことが主な原因です。このボードはテールを沈めやすくするためにラウンドテール設計とし、シングル+サイドフィンシステムを採用しました。
特に大きめのセンターフィンを設置できる点がメリットでした。これにより重心がテール側に寄り、急激に掘れ上がる波でも安定したテイクオフが可能になりました。
フィンシステムの自由度
多くのサーファーはフィンセッティングの変更によってボードの乗り味がどう変わるかを試す機会が少ないです。このボードでは、シングルフィン、シングル+サイドフィン、さらには(推奨度は低いものの)ツインフィンなど、様々なセッティングを試せるようにしました。
サーフボードはフィンセッティングを変えて様々な違いを感じながら乗ると、より深くサーフィンを理解できます。この実験精神を促すことも、このボードのコンセプトの一つでした。

メイ
廃盤になったのは残念ですね…今後ショートボードに挑戦したいので、シングルフィン+サイドフィンという設定は試してみたかったです。現在は代わりになるモデルはあるんですか?
廃盤後のおすすめ代替モデル
ビーチアクセス 6’0″ ショートエッグは現在廃盤ですが、類似のコンセプトを持つ現行モデルがあります。以下におすすめの代替モデルを紹介します:
- STEP
ビーチアクセス 6’4″ 42L ミッドレングス
少し長めですが、同様の乗り味とフィン構成を持つモデルです。波のキャッチ力が高く、初中級者にも安定したライディングが可能です。詳細はビーチアクセス 6’4″ 42L レビューをご覧ください。
- STEP
nanazero EPS ショートエッグ
ソフトボードではなくEPS構造ですが、同様のコンセプトを持つショートタイプです。浮力と安定感を兼ね備え、サーフィンの基本動作練習に適しています。詳細はnanazero ショートエッグ【徹底レビュー】をご覧ください。
- STEP
ビーチアクセス HSシリーズ 6’2″ エッグ
より高性能な新世代モデルで、同様の乗りやすさを備えています。ハイグレードのショートエッグタイプで、初中級〜上級者向けのモデルです。詳細はビーチアクセス HSシリーズ 6’2″ エッグ シングルスタビのレビューをご覧ください。
おすすめは現行のビーチアクセス 6’4″ 42L ミッドレングスですね。設計思想が近く、同じように乗ることができます。少し長くなったことで初心者にも扱いやすくなっています。nanazeroのEPSショートエッグはソフトボードではないですが、より高性能なボードをお探しの方にはいいでしょう。

ヒガ
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よくある質問
Q
6’0″ 38L ショートエッグは完全な初心者向けでしたか?
A
全くの初心者には少し難易度が高かったです。ファンボードでテイクオフができるレベルからがおすすめでした。
Q
廃盤になった理由は何ですか?
A
モデルのリニューアルと製品ラインの整理によるものです。現在は同等の性能を持つ新モデルが展開されています。
Q
現行のビーチアクセスモデルで最も近い特性を持つのはどれですか?
A
6’4″ 42L ミッドレングスが最も近い特性を持っています。少し長めですが、同様のコンセプトで設計されています。
Q
中古で購入する価値はありますか?
A
状態が良ければ、独特の乗り味を持つボードなので価値があります。ただし、ワックスフリーデッキの状態を特に確認することをおすすめします。
まとめ:ビーチアクセス 6’0″ ショートエッグの遺産
ビーチアクセス 6’0″ 38L ショートエッグは、ソフトボードでありながらショートボードの感覚を取り入れた先駆的なモデルでした。現在は廃盤となりましたが、その設計思想は新しいモデルに受け継がれています。
このボードの開発で得られた知見は、「初心者でも安定して乗れ、なおかつステップアップに繋がるボード」という概念を広め、ビーチアクセスブランドの中核的価値となりました。
ショートボードに憧れる初中級者や、小波用セカンドボードとして多くのサーファーに愛されたこのモデルは、ソフトボード進化の重要な一歩だったと言えるでしょう。
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